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2007年10月19日 vol.614  
Today's President

株式会社ナルミヤ・インターナショナル
代表取締役社長 成宮 雄三 氏

社長というのは、どちらかの道を選択することが役割じゃないか

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プレジデントインタビュー

社長というのは、どちらかの道を選択することが役割じゃないか


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【増永】 当時の社長の想いも、複雑だったのでしょうね。

そうですね、社長の想いももちろん分かるんですよ。日本の代表的な百貨店のショップに、どこの会社が仕入れたのかわからないような安物を商品として取扱っているなんて、本社からしてみれば恥さらし。こう思ってしまうのも仕方がないんです。

しかしニューヨークの人たちは、どう思うか―どんなにこちらがこだわりを持って良いもの、何百万円もするような灯篭を置いても、誰も興味を持たない、要はニーズがないわけです。

分かりきっているのに、それでも続けると言い張るものですから・・・大揉めです(笑)。結局、赤字をとるか黒字転換をとるかで話も詰まり、最終的には「お前の勝手にしろ」と言われました。このとき「黒字転換をしろ」ではなく、「勝手にしろ」と言われたんです。

そして「社長に直談判をして『勝手にしろ』で話が通じるのであれば、こんな楽な社長はいない。社長というのは、どちらかの道を選択することが役割じゃないか」とまで私は言ってしまったんです。そうしたら激怒され、「もう二度とニューヨークなんか来ない!」と言って、本当に帰国してしまったんですよ。

こうなってしまったら、私もとうとうクビになる―とりあえずもう仕方のないことだから、私の決めた方式でやらざるを得ないと思ったんです。そうしたら、だんだんと売上がついてくるようになりました。

● たとえば、どのようなことをされたのですか。

そもそもの問題ともなっていた、仕入れ経路を大改革しました。先ほどの話のとおり、サンフランシスコから商品を直接購入するとか・・・そういう改革を行なったところ、1年後ぐらいで黒字転換したのです。

余談ですが、ようやくお店が黒字転換したといえども、社長は少しも喜びませんでしたね。

古いものに対しての原始的価値観のようなものを持っている方で、屏風1つとっても、当時の価格で800万円、1,000万円というものを置いている方だったんです。そういったアンティーク的なものを非常に好んでいました。これをドルに換算すると、何万ドルの世界になってきます。何万ドルのものなんて、一般の人々は買えませんよね。

ごく稀に購入される方もいらっしゃいますが、それこそ1年に数回です。そんなお客さまを対象にしていたら、絶対にデッドストックになります。そうではなくて、一般大衆をターゲットにするべきだと主張したわけです。

● 仕入れルートを変えたことで、購入客層が増えたということですね。

はい、屏風にしてももっと価格の安いものを置くようになったら、ずいぶんと売れるようになりましたね。そうしてやっと『New York Times』などのメディアにも取り上げられるようになり、それらがきっかけとなって一気に黒字転換。

私が着任した頃は閉店だと言われていたのが、フランチャイズ展開も可能なのではないかという勢いにまでなりました。そこでアメリカ50州に50店舗、100店舗展開・・・そんな構想を描き、上司に上申したのです。そうしたら周りは賛同するどころか、難色を示しました。


 
 
 

会社の将来のためにも自分の描いた構想を実現させようとしているのに、受け入れてもらえない、私はさほど会社から必要とされていないのではないか・・・。




● なぜ周りから理解を得られなかったのでしょうか。

これまでは「閉店しなければならない」なんて言っていたのに事態が急変して、高島屋のマークをつけた店舗が一気に50店舗もできるだなんて結局、誰も現実感を得られる話ではなかったのでしょう。

誰しも「本当にそんなことが可能なのか」という感じです。一方私は「絶対にいける」と強気でした。ところが、どれだけ主張しても社長のほうが大きすぎる話を怖がっていたようです。「50店舗と言っても、万一大赤字を出したらどうなるんだ。そこまでリスクを負って黒字を出す必要はない」と。

そう言われてしまっては、私もこのままずっとニューヨークにいる意味がありません。もともと私は、一生ニューヨークで商売をやってやろう、そう思っていたのですが・・・。頭のなかでは、50店舗展開の絵もはっきりと描いていました。

会社の将来のためにも自分の描いた構想を実現させようとしているのに、受け入れてもらえない、私はさほど会社から必要とされていないのではないか・・・。それならば、とニューヨークを去り、32,3歳の頃に日本へ帰国をしました。結婚もしていませんでしたし、日本に戻る良いきっかけでしたね。

● ニューヨークにはどのぐらい滞在されていたのですか。

6年になります。私にいちばん影響を与えているのは、このニューヨークでの6年間であり、ここでの経験が現在非常に役に立っています。

ちょうど1960年代だったのですが、アメリカではすべての価値観が変化していった時代でした。たとえばそれまでの1950年代の良きアメリカが、一気にヒッピーブームで既存の価値観に大きな変革が加えられた時代へ・・・そういう時代にいられたことが、私にとってとても貴重な経験となっているわけです。

“起業する”ということは、どういうことなのか―これについても、ニューヨークにいた当時から考えるようになりましたね。

● どのようなことがきっかけだったのですか。

当時のアメリカでの起業に対する考えが、ちょうど現在の日本と同じような感覚だったのです。なにか良いアイデアがあれば、誰でもそれをもとに起業をしていったんですよ。優秀な人が起業をして成功を収めていくのは、理解できます。しかし、私の部下であったある意味普通の人間が次々と起業をしていきました。

彼らでもできるのであれば、自分が思っているほどビジネスは難しく複雑なものではないのではないだろうか・・・そんなふうに思ったりもしていました。

そうして私も影響を受けまして、ニューヨークではいろいろなビジネス手法を展開してみたのです。時代のせいもあってか、ほぼ成功することができました。もしこれを個人でやってみたら、大成功するのではないか―このときに、手応えを掴みましたね。

【続く:2/10】


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起業家物語


起業準備



起業準備期間 ― それは、起業する者にとって、この上もなく楽しいひとときです。

大いなる可能性を胸に秘め、その実現に向かって一歩ずつ近づいている実感を味わえます。起業すること自体は誰にでもできるのですが、「起業する自分は凄い」という勘違いに陥りがちで、私もそんな自分に酔っていた一人だったと思います。

 

「会社を創る。凄いことだ。それを自分は成し遂げようとしている」

 

会社を創ることは単なるプロセスです。多少、法律も絡むため、手続きが難しそうに感じるでしょうが、時間と手間をかければ誰にでもできます。また、起業を決断することも別に難しい話ではありません。頭を使わなくとも決断できてしまうような代物でもあるからです。だから、起業すること自体は、凄いことでも偉いことでもありません。

やはり本当に難しいのは会社を興してからであり、単に儲けるだけならいざ知らず、「偉大な企業」を築き上げるには想像を絶する苦労を伴うことを、この頃の私には全く予想できていませんでした。まさに「先を知らないほうが幸せ」という毎日を過ごしていたと思います。

 

当社ライブレボリューションの設立準備は、仕事が休みである土日に行われました。その起業準備のミーティングは、2000年4月から同年8月8日まで土日は欠かさず行われていました。私は、万全の準備をして、スタート時点から大成功を収めるつもりでいました。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

私たちは、ライブレボリューションを設立するために、渋谷ハチ公広場からスクランブル交差点を渡ってすぐ目の前に建っているQFRONTというビル(6F)のカフェ「ウブスナ」によく集まっていました。今(2007年時点)はもう既に閉店してしまっていますが、「ウブスナ」は、渋谷ビットバレーの関係者が使うことでも知られていて、IT関係者が気軽に使うのに勝手のよいお店でした。

 

「起業準備」では一体何をするのでしょうか。証券会社等に勤めていない限り、起業をしたことがない人にはあまりなじみはないですよね。おそらく、人によってもまちまちでしょうが、私にとっての起業準備の中心は「創業メンバーの人選」「事業計画書作り」「ビジネスモデルの研究」「創業資金集め」の4つでした。

 

まず、「創業メンバーの人選」はスムーズに進みました。大和証券の先輩である金子さん、野村證券出身の高木さん、横浜国立大学の同級生の飯野さんと景山さん・・・技術者(SEやプログラマー)がいないことだけは気がかりでしたが、私はこのメンバー構成に満足していました。

次に取り組んだのが「事業計画書作り」です。ほぼ同時並行で「ビジネスモデルの研究」も行っていました。ま、何のビジネスをやるかが決まっていなければ事業計画書を作れないわけですから当然といえば当然ですが(笑)。

起業する者のうちで、この二つのプロセスには手をつけないで会社を創った人は案外多いと思います。事業計画書においては、会社を設立した後も作成しない経営者が多いようですし、もともと勤めていた会社でやっていたことで独立する場合、ビジネスモデルを研究する必要もないでしょうし。

そして、最後に取り組んだのが「創業資金集め」です。私は貯蓄がないばかりか、借金を抱えていたくらいでしたので、資本金に充てるためのお金はありませんでした。ただ、私には会社設立予定日である8月8日までに1000万円を用意する自信がありました。

実際、私は7月1日から7月15日の間に1000万円を集めることになります。せっかく創業社長になったにもかかわらず、株を全く持っていないというのは「創業者利益」という観点からみて寂しいものです(笑)。この創業資金集めは証券マンであった私の本領を発揮するよい機会でした。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

「カプチーノをお願いします」

 

私はカフェ「ウブスナ」につくと、必ずカプチーノを注文していました。カプチーノが好きということもありますが、「ウブスナ」のそれは特にお気に入りだったからです。

 

「高木さん、事業計画書はどこまで出来ていますか?」

 

毎週末、私たちは「ウブスナ」に集まると、まず各自宿題にしていたものを発表しあいました。中でも重要視していた事業計画書は高木さんが中心的な役割を果たしていました。彼は財務のパートを中心に、その作業を喜んで取り組んでいました。

実を言うと私は、あまり事業計画書を作ることは好きではありませんでした。面倒だということもありますが、表計算ソフトを駆使できるほど知識やスキルが当時なかったからです。その点、高木さんは数字を扱うのも大好きでしたし、私以上に表計算ソフトを使いこなしていました。ですから、資金繰り等は高木さんに任せ、私はもっぱら事業計画書の中でも、経営方針や経営理念や事業の魅力を伝えるといったところのパートの作成をしていました。

大和証券に勤めていてよかったことの一つに、大量の(そして、さまざまな)事業計画書を目にする機会があったことです。通常は、「事業計画書ってどう書けばいいの?」から始まるのではないでしょうか。

大和証券渋谷支店には、連日のように「うちの投資先の主幹事(上場させるメインの証券会社)を引き受けてください」とベンチャーキャピタル(以下、VC)の担当者が押しかけてきました。私はその対応をしていたのです。

持ち込まれる事業計画書は、稚拙なものから非常に完成度の高いものまで千差万別でした。その中には「これは投資したくなるよな」と思わせる事業計画書がいくつか含まれていましたので、私はその特徴を学ぶことが出来ました。ちょうど起業しようと思っていたこともあり、大いに参考にさせてもらいました。

では、当時持ち込まれた事業計画書の中で投資したくなるようなものの特徴を挙げてみましょう。

1.インターネットを活用したビジネスモデルが含まれている。
2.顧客もしくは仕入先等に関してネットワーク性のあるビジネスモデルが含まれている。
3.規模を拡大すればするほど「規模の経済性」(たとえば、大量生産をすることで製品1つあたりのコストが低下していくこと)のあるビジネスモデルが含まれている。
4.わかりやすいサマリーが最初にある。
5.経営陣の経歴(有名もしくはその分野の経験が豊富にある)に魅力がある。
6.売上・利益計画の達成根拠がきっちり記されている。
7.細かいところまでリスク分析がなされている。
8.出資者(株主)に大物がいる。

私は、この中でも最後の「大物株主がいるかどうか」を見ていました。有名大企業が出資しているか、有名ベンチャー企業の創業者が出資しているかというところが、案外大事であることを学んでいたからです。同じ1億円の出資でも、名のある人が出したお金よりも、名のある人が出したお金のほうが、価値は高いのです。

その理由を少しお話しましょう。創業期の企業というのは当然ながら実績がありません。ですから、どのようなビジネスモデルであるかということよりもむしろ「誰がその企業を評価して出資しているか」ということのほうが、その会社の信用に大きな影響を与えるのです。

もちろん、基本的には実績のない会社の主幹事を大和証券が引き受けることはありません。ところが、日ごろのVCとのお付き合いもあり、私たちは持ち込まれる案件に一つ一つ対応していました。

 

「起業後、VCからの資金調達は私に任せてください。一億円くらいは楽勝です」

 

私は「ウブスナ」でよく、創業メンバーたちにこういっていました。私が自信を持っていたのが、この「資金調達」の分野だと思っていたからです。

大和証券に勤めていたことで、有名なVCの担当者たちと仲良くしていました。そして彼らは私に「増永さんが起業するなら必ず出資させていただきますよ」といっていたのです。これが、私に自信を与え、「私が社長になるべきだ」という根拠にもなっていました。私は「人脈」を過信していることに全く気付いていませんでした。まさか彼らが、私が大和証券をやめるとコロっと手のひらを返してしまうとは思いもよらなかったのです。そう、彼らは自分たちの案件を大和証券に何とか扱って欲しいがゆえに、私を持ち上げていたに過ぎませんでした。私は、「看板」の大切さを後に痛感することになります。

 

「ビジネスモデルの研究」については、私が中心となって進めていました。理由は、私以外にインターネットビジネスについて詳しい人がいなかったからです。ビットバレーについて書いた本『ビットバレーの躍動』(仮題)出版のお手伝いのお陰で、約40人のネットベンチャーの社長の話を聴くことができました。「なぜ、どうやればネットビジネスがうまくいくのか」を彼らは強く訴えていました。それらの特徴を踏まえたビジネスを私はやろうとしていました。

 

最終的に私が選んだのは、EC(電子商取引)ビジネスです。ECビジネスの代表格は「楽天市場」と「アマゾン」でした。これらは今後市場が急拡大するだろうと私は考えていました。そこで、この二社のサービスのよいとこ取りをしたビジネスモデルを構築し、会社を急成長させようというアイデアを膨らませていました。

当然、私は自分の考えていたアイデアに惚れ込み、熱中し、「成功しないわけがない」と考えていました。ところが、このビジネスモデルは、会社を設立してから4ヵ月後に、日の目も見ないまま消えてなくなってしまう運命にあったのです。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

基本的に、起業準備というのはとても楽しい活動です。私も大和証券以外の人には、起業準備をしていることを口にしていました。すると、会社の設立に興味のある若手公認会計士や弁護士などが集まってきて、いつしか起業準備のミーティングに参加するようになりました。そのお陰で、専門的な知識を無料で提供してもらえました。事業計画書作りと会社設立手続きについてはとても順調に進んだと思います。

 

こうして人が増えてくると、「ウブスナ」では人数の関係でミーティングができなくなりました。「ウブスナ」のよいところは、渋谷駅のすぐ目の前にあったことと、カプチーノがおいしいことと、「電源」がどの席にも備え付けてあったことでした。ミーティング中はノートPCを使用していたため、電源が必須でした。

人数が増えすぎてしまった結果、私たちは場所を「喫茶室・ルノアール(渋谷東急ハンズ前店)」に移すことになります。理由は店内が空いていた(失礼な話ですが)ことと、大勢で座れる席に電源が着いていたからです。駅から相当離れていましたガ、その距離とカプチーノの味には目をつぶることにしました。

 

この頃の私たちは、まさに夢と希望に満ち溢れていました。行く先に、大きな困難が待ち構えていることを覚悟していたつもりでした。しかし、それは単に「つもり」だったのです。予想をはるかに超える困難が待ち構えていようとは想像だにしていませんでした。

正直にいって、私はもう二度と起業したいとは思いませんし、起業準備もこの頃のように楽しくできるとは思えません。今の当社を超える企業を築く自信もありません。やはり、起業準備なんて完璧にやった「つもり」であっても、本来やるべきことの10%もできないことを後に思い知りました。

もし、今この時点で「俺は完璧にやったよ」という経営者がいるとすれば、それは思い上がりでしょう。起業未経験者が、起業準備を完璧になんてできるはずがありません。たとえ、経験者であっても同じことです。それほど起業して成功させるのは難しいのです。

私たちは最初の5年間でその大変さを経験しましたが、人によっては10年後に経験するのかもしれません。いずれにしても、年商が1000億円に達しようが、油断すればその成功は一瞬にして消えてなくなるのです。それが本質であることを気付けない人は、どこかで必ず倒れてしまうでしょう。

そういう観点から見れば、起業準備をしていた頃の私の評価は、100点満点でつけてせいぜい3点あげれば十分だったというところでしょうか。

青空の下、ワクワクしながら坂を上って起業準備のミーティングに向かう私は、その坂の上の先にある断崖絶壁の存在にまったく気付いていなかったのでした。



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婦人服からスタートし、オリジナルブランド「K-FACTORY」を世界的にヒットさせたのち、子供服事業に参入。

「世界の子ども達に夢を」を信条として、子供服ブランド11ブランドを立ち上げて現在に至っている。

特に、ジュニア(8〜14歳まで)のジャンルで6ブランドを立ち上げ、空前のヒットを飛ばした。

子供服事業参入20周年記念事業として、「Dream Project」を立ち上げ、色々な企業団体(航空会社からバレー団まで)の協力を得て、子供たちの夢の実現の支援を行っている。


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「チャンスは6時の方向にある」(かんき出版)

時計で言うと、みんなが12時の方向を見ているときに、1時や2時の方向を見ても、それでは他より一歩抜きん出ることはできません。

誰もがあっと驚くようなインパクトを与えるには、12時のまったく反対の方向、つまり6時の方向を目指す必要があります。

とくに「小が大に勝つ」ためには、「弱者が強者を打ち負かす」ためには、この逆張り発想は欠かせません。



 


 






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