実は、いつ日本から「シリアルアントレプレナー」が誕生するかと期待していたんですよ。1度起業をして成功を収め、2度目の起業に試みる・・・しかし失敗してそれでも再チャレンジするような、そんな人を。
サンブリッジは元デルの社長である飯塚さんが興したバイ・デザインという会社に投資をしています。彼は、その前にアキアというコンピュータ・メーカーの会社も立ち上げていました。彼はここで失敗をしたんです。銀行から資金を引き上げられて事業を縮小せざるを得なくなり、その処理対応に非常に苦労されていました。
しかしその後、新しいフラットテレビ会社を立ち上げるといって創られたのが、バイ・デザインです。
成功して失敗して、また成功を収めようとする勇姿を見て「あ、これだ!」と思ったんです。
それ以来、いろいろな場所で「シリアルアントレプレナー」の話をしていたのですが、日本企業の経営者の口から聞いたのは孫さんがはじめてで、しかも自分自身がそういうものだと自覚している人でした。
確かに彼はインディゴという会社をスタートして、その後ガンホー・オンライン・エンターテインメント、MOVIDAと次々と繰り返し繰り返し会社を興しています。何でもかんでも自分の会社に合算してしまわないところも、彼の面白いところでありすごく好きですね。
そういう点ではインタースコープの創業者である平石さんも、面白いです。偶然、先ほど申し上げたETICのパネル・ディスカッションの日に彼も出席していました。この日はインタースコープの役員会から社長退任が承諾された日で、すぐに「次の会社をつくります」と発表していました。
このイベント内で次はどんな会社を立ち上げるのかまでも、スピーチしていましたね。それを聞いて「今日は本当に日本でシリアルアントレプレナーが誕生した、記念すべき日だ」と思ったものです。日経の記者の方にも「今日はシリアルアントレプレナー元日です」と記事を書くべきだと勧めましたよ(笑)。
● アメリカではそのへんの事情はどうなっているのでしょうか。
シリコンバレーでは、2度3度と起業をする人に対して投資をすることは、非常に好まれています。なかでも成功と失敗の両方を経験したことのある人が、いちばん良いと言われています。
現状日本では、2度目の会社づくりにチャレンジしている方は多くいらっしゃるかもしれませんが、飯塚さんや平石さん、孫さんのように3度目以上という方は、まだまだ少ないですよね。それでもここ1,2年で彼らのような新しいタイプに出会い、面白くなってきました。
【続く:5/8】