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【増永】 HINTOとして、順調に実績を残されてきていますね。
やはり、これまでやってきたことが正しいということを証明されているような・・・そんな感じがします。悪いことなんて、いつでもできたと思うんですよね。当然のことながらそこには手を染めず、慌てず、損得ではなく、誠実に1つひとつやってきたのが結果に表われているのではないでしょうか。
もちろん、セキュリティ事故が起きたとき、被害を受けた企業様は当然憤慨されました。当然のことですよね。だけどその後、当社もきちんと誠実に対応をさせていただいたことで、今でもお付き合いさせていただけるような良好な関係を維持できている企業様もあります。これについては、本当に感謝しています。なんとかそういった企業様に恩返しができればと思っております。
それを実現するためにも、今HINTOとして踏ん張っているのです。社員にはまだまだ苦労をかけていますが・・・そこはみんなでとにかく一生懸命やっていこうと。
● NEO BEATのときはネットスーパーのシステムがメイン事業だったかと思いますが、現在のHINTOでの立ち位置はどういったものになるのでしょうか。
同じく、ベースはネットスーパーのシステム事業となります。出資してくださっているサイバーリンクス様がスーパーの基幹系のシステムをやっているということもあり、共同で進めている形です。クラウドの分野では最大級の仕組みを持っている会社なので、大きな柱となっています。
ゆくゆくは、次の世代につながるようなシステムを作っていきたいと思っているんです。
過去に、出前館で日本一を誇れるようなシステムを作りましたが、これはあくまでも出前館を運営する夢の街創造委員会さんのもの。今度は、自分で日本一を誇れるようなシステムを作りたい―これが今のモチベーションにもつながっています。
● やはりそこは、ネットスーパーにこだわるのでしょうか。
ネットスーパーであってもいいし、違う分野でもかまいません。
ネットスーパーにもともと関わらせていただくことになったきっかけは、大手スーパーさんからのオファーではありましたが、実際に携わってみて・・・ネットスーパーの最終形を考えるようになったんですね。
そうしたところ、きっと行き着くところは、小売りの30%くらいの売上げがネットに替わる時代がやってくる。誰もがリアル店舗で購入しているのと同じ感覚で、ネットで買い物をする時代になるのではないか。その仕組みを作り上げることが、自分たちの使命でもあり、この業界への恩返しになっていくと今は信じて突き進んでいます。
● 当時、ネットスーパー事業というのは市場的にどういった位置づけだったのでしょうか。
難しい事業であったことは間違いなく、儲かる市場ではない、参入企業は軒並み失敗をしていると。大手企業でさえ、何億円も投資して利益はほとんど出ていないという業界でした。
● そうした厳しい状況の中で、なぜ御社のシステムではうまくいったのでしょうか。
ポイントは、利益構造を変えたことです。それこそ単純な発想なのですが・・・黒字になれば自然に広がるだろう。それならばと、今問題になっている箇所はどこかを洗い出していったのです。それはシステム費用であり、運用や物流の費用。こうして問題点が分かれば、あとは少しずつでも費用を下げられる手法を考えていけば、ネットスーパーにとってはそれがプラスにつながるだろうという考えでした。
過去に失敗したネットスーパーというのは、1件の注文を受けることですでに赤字になっていました。これは他の大手企業さんの仕組みでも同じことが起きていました。注文を受ければ受けるほど、赤字になっていくと。これだけ聞くと、意味の分からない仕組みですよね。
そんな状況ですから、スーパーさんにとってもお客さまへのサービスの一環でやっていて、利益を狙うような意識はあまりなかったようです。
しかしながら、当時三重県にある小さなスーパーでは、完全に黒字展開されていました。7店舗ほどで展開されていましたが、経常利益で1億円ほど残せるような仕組みをまわしていたのです。
黒字にできる仕組みもあることを知り、これをもっと展開できたら面白いなと思いました。そんな頃、大手スーパーさんが生き残りをかけて競合社とは別の手法で戦えるような手法を模索されていたのです。
その会社さんとタッグを組み、いろいろと試行錯誤していった結果作り上げたシステムが、全国のスーパーが見学にくるまでのクオリティに仕上がりました。
どんな仕組みかというと、それまで注文を受ければ受けるだけ赤になっていたのを、単純ですが1件注文を受けるごとに黒字になる仕組みです。
先ほど申したとおり、物流費やシステム費を下げたり、人件費を抑えるために効率化を図ったり・・・コストを抑えて、利益を残していくという単純な商売のやり方でした。ただそれを徹底することで、他にはできないものが出来上がったのだと自負しています。それを実現できるシステムとノウハウを弊社が提供しているのです。
● NEO BEATから現在のHINTOまで、事業を伸ばされてきていますが、石那田社長がやられてこられた営業手法などあれば教えてください。
技術職上がりで、正直売り方とかは分からないのですが・・・むしろ、売り方の分からない人が売る方法としては、ただ1つ。「自然に売れるようにすること」でした。
ではどうすれば、スーパーなどで自らお客さまが買い物をしたくなるか、その裏づけをしていくことを重点的に考えていくと、どの事業でも実は同じだと思うんですよね。
たとえばシステムだけを売るのではなくて、それ以外にも物流やオペレーション、さらにはどうやって商品を選ぶのか、お店を選ぶのかといったところまで対象範囲にして、単なるシステム販売会社から事業販売会社を意識しました。
そうすることで、システムを選定に来たスーパー様が、「単なるシステム屋ではなくて、自分たちの事業全体まで考えられている会社なのか」と思われます。ここまで思わせることができ、もちろん実現できているからこそ、成功するのだと思います。どうしてもシステムにこだわって部分部分で対応していると、コストがかかってしまうんですよね。各箇所、得意な会社に分散させてしまうことになりますから。
ではすべて一貫させて対応できれば、購入していただけるのではないか。そんな仮説を立てたのです。最初から全ては無理でしたが、少しずつさまざまな企業さんと提携を進めて実現化を図っていきました。
そうしていくことで、こちらから営業をしなくても、来ていただけるような仕組みになっていったのです。あとは口コミですね。良いものを作りそれを実践で証明できると、これも自然と広まっていきます。その影響は大きかったように感じます。
基本的には「ネットスーパーは売れない、儲からない」というのが世の中の常識にはなっていましたが、一方で「もし利益を出せるのであれば、導入したい」と思っていたスーパーさんも多くあったというのは、事前の100社ほどにかけたヒアリングから分かっていました。だから、儲かる仕組みさえ提供できれば、すぐに広まるであろうとこちらも考えたわけです。
仕組みさえ確立できれば、あとは必要としてくれる方が順番に並んで待ってくれる―そういうところに自分たちのビジネスを運べる形ができればいいですね。
【続く:4/5】
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