【増永】 御社は「世界で一番社風のいい会社」を掲げていらっしゃいますが、その要素となっているような御社の特徴をぜひ教えてください。
私たちはまず、「世界一社風のいい会社」ではなくて、それを目指している会社です。
そもそも私の思う当社の社風というのは、一生懸命やっている社員がいれば、たとえ結果が伴わなくともその姿勢を尊重し、「温かく見守っていき、ときに背中を押してあげよう」という雰囲気があること。一人ひとりがそうした姿勢でいるので、非常に誇らしいですし、素晴らしいと思います。これが、大きな特徴ですね。
当社が求めている人材は、何でも1人でやってのけてしまうようなスーパースターではありません。チームとして成果を出すことが重要だと位置づけていて、それを社内でも徹底しています。各人、能力の差はあるけれど、それぞれが自分の持っている能力を最大限発揮できる場であることが、ISOWAにとって一番なのです。
だからこそ、努力している人を褒める、認める、見守る―ことが大事であり、そういうことを自然とできるような環境をつくることが大事だと思っています。
そして当社の特徴として、もう1つ。私が個人的に感じていることになりますが、社長と社員の距離感が近いことです。
創業者でもなく4代目ではありますが、最近では理念共感型の採用活動になっているので、直接私が採用した社員は入社前からISOWAビトです。
『世界一社風のいい会社を目指す』ことを掲げ始めてから採用した社員との信頼関係は特別です。もちろん中堅以上の社員との距離感も縮まるよう努力していて、その手ごたえも感じています。若手だけが活性化している会社ではとても「世界一社風のいい会社」は目指せませんから。
あとは、「考える」習慣が少しずつ浸透してきているのも、特徴のひとつだと思います。
たとえば、創立90周年を迎えた年にイベントを開催しようと社内で検討したのですが、それから2年経った今年、92年目にやっと実施できました(笑)。というのも、何をやろうか・・・とみんなで悩んでいるうちに、そもそも何のためにやるのか、そこにどんな意味があるのか―ということを考えるようになっていったのです。
ただ節目だからイベントの1つとしてやるのではなく、そこに意味を見出すこと・考えることが大事だというところに行き着きました。
こうして、1つのことに対してみんなで考えることを大事にするような社風になっています。これも会社が変わってきた、いい兆候だと感じます。
仕事を淡々と進めていると、どうしても「結果ありき」になりがちで、みんなで考えていくということを忘れてしまうんですよね。要は、「やることが目的」になってしまう。
たとえば社内行事を開催するときに、参加者を募ったら「●●部署の参加率が悪い」と。そうなると、参加を促し、結果的に社員を無理強いさせてしまうことが起こります。これでは、いつの間にか参加させることが目的にすり替わり、本来の目的を失っているということになりますよね。
だから本来の目的と逆に作用することになってしまったら、やる意味がないと見なし、一時期は一切の行事、研修の開催をやめてしまったことがあります。
今でも、そのあたりの判断軸はまったく変わっていなくて、「これをやると本当に意味がある、価値がある、効果が出る」と思えるもの以外については、実施していません。ただここで言う「意味」「価値」「効果」とは、決して定量的なものだけを指しているんじゃありませんよ。むしろ定量的じゃないものを指していると言った方が正しいのです。
かつて社員旅行もそのリストに入っていました。でも社員の中から、「やりたい」という声があがってきて、復活させたという事例もあります。
まずは一度、既存のモノに対してゼロに戻って考えていくことを習慣としてもらい、その上で必要か不必要かを考える―これを私ではなく社員から率先して実行してくれているので、それは素敵な習慣だと捉えています。
● 今伺ったような特徴あってこそ、イノベーションやコスト削減などの新しいアイデアが次々と出てくるのでしょうか。
はい、まずは製造部門からこうした動きが始まりました。分かりやすいところでは、リードタイム短縮への取り組みでした。また新製品の開発やイノベーションについては、1年半ほど前から本格的に取りかかれるようになってきた段階ですね。
ようやく技術のほうもそうした視点をもって考えるようになり、今まさに製品開発における「ISOWAらしい大義とは、社会的意義とは」を追求しています。こうやって考えることが主流になってくると、従来この業界ではなかったような視点をもって開発に結びつけるのではないか・・・そんな期待が持てるのです。
世界一の社風を目指すISOWAらしい製品、サービス。我々の理念から搾り出されたISOWAらしい製品、サービスを世に問うことが、私だけでなく、心あるISOWAビトたちの共通した想いです。必ずISOWAビトはやってくれます。
【続く:4/5】