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Today's President

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2007年10月31日 vol.619

株式会社ナルミヤ・インターナショナル 代表取締役社長
成宮 雄三 氏

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起業家物語

『起業家物語』は発行者: 増永 寛之の体験に基づいたストーリーです。26歳で大企業を退職し、ベンチャー経営の世界に飛び込みました。全く経験の無い社長業、インターネットビジネスという異業種への参入などでさまざまな困難に遭遇しました。同世代の若い人たちにも是非、自分のやりたいことに勇気を持って挑戦していただきたいという想いを込めて綴っています。

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 第87話 2007年8月8日

偶然か、必然か



2000年1月21日、大和証券が主催する新春講演会の当日。

 

「彼は、物凄く疲れていますね。大丈夫でしょうか」

 

東京国際フォーラムの舞台裏で西役員(仮名:大和証券の役員)と話をしている私を見て、筒井さん(仮名:大和証券の先輩。後にライブレボリューションの取締役となる金子真歩と高橋将雄を私と引き合わせてくださった恩人)にそのように話しかけたのは、金子真歩※でした。

※2000年1月当時、商品本部・戦略企画課・IT企画チーム(ITを活用した商品戦略企画を担当。データマイニングによるマーケティング分析、オンライントレードの機能企画、商品本部の集計システム開発、全支店へのSFAシステム導入企画等を手がける)に所属。大和証券において、私の4つ上の先輩だった。以下、金子さん。

 

「彼が増永君だよ。すごく優秀だから、いつか金子にも会わせてあげるよ。今は忙しそうだからね」

 

「筒井さん、ぜひ増永君と会わせてください」

 

「来週の木曜日(2000年1月27日)に渋谷支店の勉強会があるから、そこに来れば会わせてあげるよ」

 

「じゃあ、それに行きます!」

 

金子さんはこうした経緯を経て、私がお手伝いしていた渋谷支店の勉強会に出席することになったそうです。

 

金子真歩(ライブレボリューション取締役。2000年当時は、大和証券株式会社の商品本部・戦略企画課・IT企画チームに所属)
「初めて社長の存在を知ったとき、私はとても驚きました。『渋谷支店で株式公開の仕事やイベントの仕事をしている。本も書いている。しかも1年生・・・そんなすごい1年生がいるんだ』と。新春講演会が始まる直前、その舞台裏で大和総研の重役と事前打ち合わせをしていた社長は、寝不足による疲労を見せながらもパワーポイントをカチカチと動かしていました。私には、その光景が信じられませんでした。なぜならば、当時の社長は1年生、しかも支店勤務の一営業マンであるにもかかわらず、重役と5分で渡り合っていたからです。私であればとても緊張してしまったでしょう。ところが、社長はこの頃から物怖じなど全くしていませんでした。普通、大和証券のような大企業で、そのような光景などありえないことでした。そして最後に、そのパワーポイントが非常によくできていたにもかかわらず、『彼は初めてパワーポイントを使ったそうだよ』と聞いて、更に驚きました」

 

2007年1月27日に開かれた渋谷支店での勉強会の講師は楽天株式会社の三木谷社長でした。

 

三木谷浩史氏(以下、三木谷社長) ― 楽天株式会社(2000年4月19日にJASDAQに上場)の代表取締役会長兼社長。EC関係システムを顧客に提供する「サービス・プロバイダー」、インターネット上での「マーケット・プレイス」、そして、媒体価値を有する「メディア」の3本柱で事業を拡大中。同社の究極の目標は「世界一のインターネットサービス企業」となること。

 

まだ「インターネットでは物は売れない」といわれていた時代だったにもかかわらず、三木谷社長はその日の勉強会でEC(電子商取引)の未来を語っていました。

私は、その勉強会のお手伝いをしていたこともあり、三木谷社長の講演する姿をデジカメで撮りながら話を聴いていました。

 

「なるほど、これからは間違いなくECの時代が来る。自分が起業するならECでいきたい」

 

実際、私が起業のときに書いた事業計画書は、「モール型」ではなく、「デパート型」のECサイトを立ち上げるというプランでした。しかし、これは起業後の4ヶ月でベンチャーキャピタルからコテンパンに叩かれることになります。

 

「インターネットで物は売れない!」
「アマゾンドットコムは永遠に黒字化しない!」

 

今にして思えば、「あなたたちが私に言ったことはなんだったんだ」と私は言いたい(笑)。インターネットでは物が売れ、アマゾンドットコムは黒字化しました。

起業家にビジョンがあっても、投資家に目利きがいなければ実現しないこともあります。とはいえ、銀行であれ、証券会社であれ、ベンチャーキャピタルであれ、これらは経済やマーケットの動向により意見が二転三転するのが当たり前の業界・業種であって、一概に非難することはできません。持ち上げるときは持ち上げ、叩き落すときは叩き落すというのは、マスコミにも似たところはあります。むしろ起業家は、投資家たちからの評価のブレを織り込んだ上で、経営することを心がけるべきなのでしょう。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

22時を回り、8階の大会議室に詰め込まれていた100人ほどの参加者たちも帰り始めました。私は4階の営業フロアに戻り、デジカメにおさめていた写真のデータを家から持参していたノートPCに移しました。そし、早速、三木谷社長からいただいた名刺に記されていたメールアドレス宛に画像を添付したメールを送信しました。

 

「ふー、これでようやく弁当が食べられる」

 

キャンセルした参加者の弁当は、お手伝いをしたご褒美にと無料でもらえました。

 

「いただきます」

 

と、そのときです。筒井さんから声をかけられました。

 

「よう、増永。お疲れさん。ちょっと紹介したい奴がいるんだが」

 

この時に紹介されたのが、その後一緒にライブレボリューションを立ち上げることになる金子さんでした。

 

「はじめまして」

 

新宿支店の営業職を経て、本社の商品本部・戦略企画課・IT企画チームに異動したという金子さんは、私から見ればエリートでした。

 

「将来、凄く出世しそうな人だなぁ」

 

この頃の私は、そんな金子さんがわざわざ私に会うのが目的で、この勉強会に参加していたとは知りませんでした。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

起業してから約7年後の2007年6月6日(水曜日)のことです。

 

「金子さん、そういえば2000年に大和証券が開催した新春講演会っていつだったか調べられますか。調べてもなかなかわからないんです。金子さんなら調べられるんじゃないかと思いまして」

 

私は金子さんにこのような質問をしました。

 

「うーん、そういえば僕も参加していたんだけど忘れました」

 

私はその言葉に驚きました。

 

「え!金子さんも参加していたんですか?」

 

「あれは、大和証券の中でも大きなイベントで、僕も手伝っていました」

 

「私もあの時、西役員のパワーポイントの作成のために参加していたんですよ」

 

「知っていますよ。だって、社長と西役員が打ち合わせをしていたところを見ていましたから。それに、あのパワーポイントの作成の依頼は、社長のところにいく前に僕のところへ来ていましたから。でも、断りましたけどね(笑)」

 

「え!じゃぁ、私が徹夜でパワーポイントを作ることになったのは、金子さんが断っていたからなんですか」

 

「確か、社長のところに話がいく前日に僕が断ったんですよ」

 

「どうして、断ったんですか」

 

「面倒でしたから(笑)」

 

私はその事実を聞いて驚きました。もし、金子さんがそのパワーポイントを面倒がらずに作っていたとしたら、私と金子さんは出会わなかったかも知れないのです。そうであれば、今のライブレボリューションも生まれることはなかったでしょう。

 

「筒井さんは、パワーポイントを自由に扱える僕に頼みたかったのでしょう。でも、僕に断られてしまったから、社長に振ったんでしょうね(笑)。まぁ、断ってもあとで良心が痛みましたから、『筒井さん、大丈夫ですか?』と内線電話で聞いてみたんですよ。それに対して筒井さんからは、『増永君に頼んだから大丈夫だよ』と言われたことを覚えています。僕が社長の存在を知ったのはまさにそのときでした」

 

私と金子さんが、この会話をしたのは、二人が出会ってから7年も過ぎてからのことでした。それまでの私は、金子さんが渋谷支店の勉強会に現れたのは楽天の三木谷社長の話を聴くためだと思っていました。そこで偶然に出会ったのが私だったのだと思っていました。ですから、まさかその前からパワーポイントの一件でかかわりがあったとは思いもよりませんでした。

 

「金子さん、だったらもしパワーポイントの件を金子さんが断っていなかったら、私は金子さんとも高橋さん(ライブレボリューション取締役。当時、大和証券株式会社の営業企画部にて大和証券リテール部門の営業戦略、チャネル開発、広告宣伝などを担当)とも出会っていませんでしたよ」

 

それは偶然だったのか、それとも必然だったのか・・・今のライブレボリューションが存在するのは、そんな出来事があったおかげだったのでした。

 

「まさかそんな事実を7年後に知ることになるとは・・・」

 

この奇跡と強運に感謝したいと思います。

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お知らせ

09/21/2007

『宇宙一愛される経営』を発売

宇宙一愛される経営

企業文化のブランド化こそ最強の差別化戦略である。

「こんな企業があったのか!」2008年度の新卒採用のセミナー・会社説明会に 9000人以上の学生が殺到。

『宇宙一愛される経営』

01/31/2006

『プレジデントビジョン』書籍化第2弾!

〜未来の社長たちへのメッセージ〜
プレジデントビジョン 成功の方程式

《本書に登場する今もっとも注目を浴びているトップたち》

近藤 太香巳
(ネクシィーズ代表取締役社長)
森下 篤史
(テンポスバスターズ代表取締役社長)
西山 裕之
(まぐクリック代表取締役社長)
加藤 順彦
(日広代表取締役社長)
広野 道子
(21LADY代表取締役社長)
中村 利江
(夢の街創造委員会代表取締役社長)
平野 岳史
(フルキャスト代表取締役社長)
堀 主知ロバート
(サイバード代表取締役会長兼代表執行役員)

※本文掲載順(敬称略)

01/12/2006

『プレジデントビジョン』がついに書籍化!

〜未来の社長たちへのメッセージ〜
プレジデントビジョン 起業への情熱