
ミドルリスク、ミドルリターン

Tシャツをオンラインでも販売している久米繊維工業株式会社の久米社長にお話を伺ってきました。
同社の3代目社長ということで、3代目ならではのお話とインターネットを活用したコミュニケーションについてのお話が中心です。

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【増永】 現在行っている事業内容をお願いいたします。
【久米】 私どもは国産のTシャツを作っているメーカーでございます。
海外生産全盛の今日、いまだに日本国内で、染色、裁断、縫製、プリントの工場を持って、こだわった生産をしています。
お客様の大半は法人で、アパレル、広告、ユニフォーム、音楽業界から、官公庁、NPOまで、2000ほどの法人取引があります。
自社工場で作ったTシャツ中心に、インターネットを活用しながら、個人の方には、オーダーメイドなどで、もっと楽しんでいただき、法人のお客様には新しいTシャツビジネスを創造していくかを、エコロジーの問題とあわせて、現在の最重要課題にしています。
とはいえ、いきなり法人向けのネット通販ビジネスは難しいので、7年前に個人向け販売の「T−GALAXY.COM(ティーギャラクシードットコム)」という会社を個人出資でつくりました。
そして、1997年に日経インターネットアワードを受賞し、Googleで最上位に検索されるようなサイトにまで成長して、順調に売上が伸びてきたので、このたび全面リニューアルをしました。
現在では法人向けビジネスとの相乗効果を考えて、法人販売向けサイト「Jentle.co.jp」法人向け商品リンクサイト「kume.jp」などを新設し、次のステップに進もうとしているところです。
● もともとTシャツ事業をやっていて、そこからインターネット事業にも進出していったという事ですか?
そうでございます。
祖父がTシャツメーカーを1935年に創業し、父が日本のTシャツ史と歩みを合わせるように大きくして、私が3代目でございます。
私の代では、Tシャツの新しい用途を紹介啓蒙する、業界や法人個人の壁を超えて、新しいお客様を開拓し支援するためにインターネットを使うことが中心になるでしょう。
● 立ち上げの時に苦労したことはありましたか?
今はもうインターネットもブロードバンドになり動画まで流せる時代になりました。
しかし、私が始めた時はニフティーしかございませんでしたから、静止画像すら送る事が出来なかったんです。
ですからTシャツという、目で見ないと、もっと言うならば触れないとなかなかわからないものを、いかに言葉だけで売るかという苦労はありました。
● その苦労を乗り越えられた要因は何でしょうか?
インターネットの進歩と合わせて少しずつ画像を増やしていくと同時に、やっぱり、一度私たちのTシャツを着ていただいて満足してくださったリピーターのお客さまに、継続的に商品とサービスをご提供していったのが良かったのだと思います。
● 久米社長は3代目のようですが、ここまでのプロフィールを教えていただけますか?
私は大学を出た後、まずイマジニアというファミコンゲームソフトメーカーに就職をしました。
その前にある中堅中小企業向けのコンサルティング会社に内定を頂いていたんですが、イマジニアの神藏社長に「馬には乗ってみよ、まずベンチャーで修行をしなさい」と言われましたので、全く異業種でございますけれども、ファミコンゲーム業界に身を投じたわけです。
そして、ファミコンゲームは、その時曲がり角に差し掛かっておりまして、何でも置けば売れた時代が終わっていました。
そこで何か新しいものを作らなければいけないということで「松本亨の株式必勝学」という全く新しいジャンルのゲームを皆で考えてつくり、それを飛びこみ営業に近い形で営業していくという貴重な経験をさせていただきました。
そしてこの株のゲームがたまたまヒットしたものですから、日興証券に呼ばれまして、ファイナンシャルプランニングという今でこそ主流となっているお金のホームドクターを作るプロジェクトに参加させて頂きました。
そして相続診断のシステムですとか資金運用のポートフォリオ作りのシステムという物をつくらせていただきました。
● この会社を3代目として継ぐ事になったきっかけはなんですか?
ちょうど私が作っていたベストプランナー相続診断システムが完成し、支店に研修とともに導入が終って、一区切りした1991年に父の会社に戻りました。
ちょうど、バブル崩壊の時期と重なっていました。
当時の景況を思い起こしますと、まさにいざなぎ越えと言われるような日本中が好景気に浮かれている時でありました。
その中でなぜか株と土地だけが下がり始めていた訳ですよね。
この時、父は経営者の勘で「これからとてつもない不況がくるだろう」と考え、「こんな時にこそ経営者の勉強になる。
私が、格好の悪い不況対応、好況の後処理をしてみせるから、その姿を見なさい」という事で、呼び戻されたわけです。
● 2代目の社長のお話を聞く事はよくありますけれど、3代目の社長のお話は私にとって非常に貴重です。
3代目ならではというお話はありますか?
3代目の場合によく言われるのは、「会社潰すか伸ばすかのどちらかだ」ということですね。
「ハイリスク、ハイリターンの戦略」をとりやすいということでしょう。
私の場合は「ミドルリスク、ミドルリターン」で行こうと思います。
守るものは守って、新しい事を始めるべきところは始めるというように、そのバランスを考えていかないと、「やりすぎ」になって上手くいかないような気がします。
常に意識しますのは、古い物と新しい物をいかに共存させるか、或いは調和させながら、新しいマーケットの変化に注目して、新しい技術や手法を駆使して、次の段階に向かうかということです。
【続く:1/4】

まずは高いところにのぼる
前職大和証券の新人配属発表後、先輩社員から新入社員たちへ次のようなアドバイスがあった。
「配属先に行ったら、まずはその地域で一番高いところにのぼりなさい。
そして意識を高めなさい。
もし落ち込むようなことがあったならば、やはり高いところにのぼりなさい。
」
新入社員は配属先では不安である。
特にはじめての地域に配属されると土地勘もなく孤独である。
そのような新人に対して高いところにのぼって意識を高めるようにということであった。
私自身、今でも初めての場所に行くと、なるべくその地域で一番高いところにのぼってみることにしている。
また、年に一回は社員全員で都内の高いビルの最上階で食事会をしている。
これは社員の士気を高めるためだ。
とにかく高いところで値段の高いものを思いっきり食べるのである。
この高いところにのぼるという行動にはいくつかのメリットがある。
一つ目は単純に高いところにのぼるとなんだか自分が大きくなったように感じて自信もつき、意識が高まるというもの。
二つ目は土地勘をつけることができるということ。
戦争でも地形に詳しいほうが有利であるように、ビジネスにおいても土地勘を持つことは有利に働く。
地形や地域性を無視したビジネス展開よりも、それらを知った上で戦略を練り実行したほうが効率がいい。
三つ目としては「おお、こんなに自分の客がいるのか」と確認できることだ。
私自身、渋谷支店に配属されたとき、最初に隣駅である恵比寿のガーデンプレイスにのぼって、そこから周りを見渡した。
証券営業マンにとっては個人も法人もお客になるので、ビルの最上階(39階)から見下ろした家やビルには、ほぼすべて見込み客がいるかに見えた。
当時の私は、この教えにもう一つ勝手に加えていたことがある。
それは「一番高いところにのぼり、そこから見えた一番大きな会社に最初に営業に行く」というものだ。
故に、自分で勝手に決めたルールに従って周りを眺めてみると、、、あるではないか、おおきな会社が。
それはサッポロビールだった。
なぜこのようなルールを決めていたかというと、最初に一番大きな会社に飛び込めば、2番目からは1番目より小さな会社になるからで、最初に度胸をつければ2番目からは怖くなくなるだろうと思ったからだ。
そこで早速ビルから降りて、サッポロビール本社の1Fロビーに直行した。
さて、ここからが問題であった。
私はそれまで営業というものをしたことが無かった。
誰にも教わったこともない。
配属されてすぐに高いところにのぼりにきたわけで、なにも教育もされていなかった。
受付には女性がいる(以下:女性)。
流石に何も知らずに声をかけるのは失礼だろうと思い、まずはロビーにあるパンフレットを熟読してみた。
しかし、それでもまだ怖い。
どのように声をかければよいのだろうか。
想定外の質問が着たら答えられるだろうか。
そして30分くらいセリフを考えてから意を決して受付の女性に声をかけた。
増永「すみません。
この度、渋谷支店に配属になりました大和証券渋谷支店新人の増永と申します。
早速社長様にご挨拶をしたいと思いまして参りました。
社長様はいらっしゃいますでしょうか」
女性「どのようなご用件でしょうか」
増永「社長様は株にご興味がないかと思いまして」
女性「社長は本日外出しておりますが」
この時点で経験値ゼロの私の営業は終了してしまった。
今から考えればなんと怖いもの知らずなことをしたのだろうかという話である。
しかし、物事はできるだけ広い視野で捉えるべきであるし、目指すべきレベルは高いにこしたことはない。
レベルを下げるのはいつでもできると小さい頃から教わっていた。
当然ながらその後の営業では物怖じすることがなくなった。
高いところにのぼるという行動は、個人的に私自身の意識を高めるために使っているテクニックである。
どのようなものが自分にとって一番意識の高まる方法であるか検討しておくとよいであろう。
意識を意図的に高める方法を持っておくと、いざというときに案外役立つものである。
【PV TODAY 増永】

【編集後記】
北海道から帰ってきました。
4日目は富良野に行く予定でしたが変更して大雪山へ。
山から下りてきてから、麓の露天風呂に入り自然の景色も堪能。
5日目最終日に十勝岳に寄ってから富良野のラベンダー畑を見て帰ってきました。
非日常の世界にいると、いつもと違う発想が生まれます。
沢山のビジネスヒントを得て帰ってくることができました。
プライベートな休暇の予定でしたが結局仕事もしていたなという感じです(笑)。
でも、本当に楽しくて、北海道に行ってよかったなと思います。
また機会を見て今度は北海道の道東のほうに行きたいです。
【目標】
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