株式会社富士山マガジンサービス 代表取締役社長 西野 伸一郎 氏 『 versatile(バーサタイル) 』
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株式会社富士山マガジンサービス 代表取締役社長 西野 伸一郎 氏
Today's PRESIDENT
2003年08月04日 vol.37

株式会社富士山マガジンサービス
代表取締役社長  西野 伸一郎 氏

versatile(バーサタイル)





株式会社富士山マガジンサービス


【事業紹介】


設立

2002年7月12日

サービス開始

2002年12月ベータサイト開始

サービス内容

株式会社富士山マガジンサービスは、個人・法人全てのお客様に、日本初の雑誌・定期購読専門サイト「Fujisan.co.jp」を通じて、様々な雑誌のワンストップショッピングを提供いたします。
また、出版社の皆様に対して、定期購読誌を中心とした雑誌の販売支援から、梱包・配送、顧客管理まで、様々な定期購読業務をサポートしていきます。




versatile(バーサタイル)

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西野社長に外資系企業と日系企業の経験を、そして現在自ら起業したベンチャー企業のお話をお伺いしました。 また、起業した際の苦労話もお伺いできました。 とても参考になります。



●2003年8月1日読者数が2万人を超えました。

●弊社が2003年8月8日に発売される月刊誌『ビジネススタンダード』(ソフトバンクパブリッシング)の9月号にて2ページに渡り紹介されることになりました。 (この機会に、Fujisan.co.jpからの定期購読もどうぞ!以下のギフト券1000円も使えます。

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これまでの西野社長へのインタヴューはこちら

vol.35 vol.36




【増永】 
外資系に勤めていて学んだことはありますか?

【西野】 外資系と言っても一概に言えないと思うので、私の場合の経験は全てシアトルでのAmazon.com本社での経験およびアマゾン・ジャパンをゼロから立ち上げて、その後200人弱の組織になるくらいまでの日本の100%子会社での経験となります。 いろいろ特徴的なことはあると思うのですが、例えば、アマゾンは非常にポジションスペスィフィックでしたね。

ポジションスペスィフィック(Position Specific)というのは、ジョブディスクリプション(Job Description:職務記述書)によってそのポジションでやるべき事が事細かく決まっていて、そのポジションに就くべき人に求められる過去の経験や年数、能力や知識が明確に決まっていることです。 そして、各々のポジションにそれぞれポジションスペスィフィックに優秀な人材をどんどん採用し、組織が機能している様です。

このポジションスペスィフィックに対して、必ずしも対極にある訳ではないのですが、もう一つある概念は、バーサタイル(versatile)な能力です。 バーサタイルという言葉は、臨機応変に何でも出来る、多芸多才といった意味です。 DVDの「V」はVideoのVと思われている方も多いと思いますが、もともとDVDは、Digital Versatile Disc(デジタル多用途ディスク)の略なのです。

外資系では「何でも出来ますっていう人は実は何にも出来ない人」っていう風に見られがちなところがあると思います。 臨機応変に多方面の才能があるということは重要なことなんですが、全般的に優秀でもうまくポジションにはまらないと採用できなかったり、組織の中で浮いてしまうケースも有りがちになります。 ジョブファンクションとかジョブディスクリプションがとてもはっきりしている中でもバーサタイル且つ潤滑油的に動ける人も必要なんですが。 往々にして規模の小さな規模のベンチャーでは、バーサタイルな人がより重要です。 組織の成長ステージに合わせて、その辺りの人材の必要度というのは変わってくると思うのですがね。

「ポジションスペスィフィック」と「バーサタイル」の議論とは少しずれるのですが、関連して興味があるのは、以下のような2つの組織比較です。 組織Aは、各々のポジションに関して非常にポジションスペスィフィックに能力の高い人達だけで構成した組織。 組織Bは、ポジションスペスィフィックな能力としては高くないが、皆が非常にバーサタイルでやる気に満ちている組織。 もちろん一概に言えない事ですが、どちらの組織が成功する確立が高いのだろうと改めて思ったりします。

もちろん、外資系社員は皆やる気がないと言っているのではないのですが、「普通のやる気」を仮に数字で表したら10として、ポジションスペスィフィックな能力も10だとしたら、10×10でアウトプットは100ですよね。 やる気が20あってもその能力が3なら60じゃないですか。 その反対もあって、その能力が3でもやる気が50あれば150になるんですよ。 まあ、こうやって計算しても数字のお遊びにしかならないんですが、アマゾン時代でも今の富士山でも、そういうことを常に意識しながら、組織を考えています。

所詮、個人のアウトプットというのは、やる気と個人の能力の掛け算だと思うんです。 そして組織としてのアウトプットは、組織としてのやる気と個人能力の掛け算になると思うのです。

所詮、アウトプットというのはやる気と能力の掛け算でしかないと思うんです。

それから、僕が凄く感心したのは、米国企業のドラスティックさです。 僕らが初めてプレゼンに行った当時、ベゾス以外にシニアVPと呼ばれる主要経営幹部陣が5〜6人いたんですよ。 それがある時期、一気に入れ替えてしまったんです。

98〜99年頃のAmazon.comの株価は物凄く急成長している頃で、とにかく行け行けドンドンの経営スタイルだったんです。 それからインターネットバブルも弾けて、大きな赤字額が改めて問題になったわけです。 基本的に米国の公開企業は皆、ウォールストリートの考え方に基づいて経営方針を決めていると言っても過言ではないと思うのですが、「いつになったら黒字化するんだ」という声が大きくなるのに合わせて、アマゾンは一気に方向転換するんです。 ベゾスは自分以外の経営陣、つまりVPたちをほとんど全員入れ替えたんです。

ではどんな風に入れ替わっていたかというと、走りながら考えるいわゆるベンチャータイプのマネージャーから、例えば生産管理の部門でコストカッターとして有名なマネージャーに代表される大企業の様々な管理職経験者に入れ替えました。 非常に各々のVP陣とも親しく仕事をしてきましたから、その時初めて外国企業の洗礼を受けたような気がしました。

その意思決定はベゾスからなのか、ボードメンバーからだったのか真相は僕にも分からないのですが、人材を殆ど入れ替えて、実際急速に黒字化を実現して行くんです。 こういうドラスティックな方針は、日本の企業にはなかなか出来ないすよね。 僕が昔いた、当時のNTTなんかからすると考えられない。

● ここまで立ち上げてくる中で何か苦労話などありますか?

ゼロから何かを作り出すわけですから、やはり苦労しましたね。 でもまあ、気は持ちようなので、その苦労を楽しむように心掛けています。 特にサイトオープン前は、Fujisan.co.jpの構想を話して出版社巡りをしても、なかなか雑誌の取り扱い許可を得られませんでした。 そもそも出版業界出身者でもない、聞いたこともないようなベンチャー企業に対して「どこの馬の骨か?」というのが、出版社側の正直な感想だったのかも知れません。

Amazon.co.jpを立ち上げる時も同じようなことがありました。 仕入れのお願いに行って「100冊買います」と言っても10冊とか5冊しかくれない出版社がいくつもありました。 また「我社はオンラインの書店とのお取引は一切いたしません」とわざわざ文章で頂いたところもありました。 今にして振り返るととても懐かしいですけどね。 結局、その後、出版社の方からお金を払ってでもアマゾンのサイトに掲載をしたいという話が随分と増えました。

「Fujisan.co.jp」のサイトが稼動し始めて、業界への認知が少しずつ進む中、出版社の反応は良くなっています。 また、我々の影響かどうか分からないですが、業界内でも雑誌の定期購読に対する気運が少しずつ高まっています。 取り扱い雑誌も契約する出版社も以前より高いペースで伸びています。 また、アマゾンの時と同じようなことが起きますよ。 きっと。 (笑)



コーポレートディスカウントをお望みの方がいらしたらinfo@fujisan.co.jpに「プレビを見た」と書いて送ってみてください。




【続く:3/4】






決断しないことを決断する


人生のあらゆる局面で、人間は「決断」を下さなければならない。 しかし、決断を下すということは、その結果に対して「責任」を負うということでもある。

この責任という言葉に、人はめまいを覚えるのであろうか。 責任を回避したいがためだけに、決断を放棄するという人が、あまりに多いように感じられる。

しかし、彼らは知っているのだろうか。

決断しないということは、決断しないことを決断したのと同義であるということを。 そして、決断しないことを決断した以上、彼らはその結果に対しての責任を負うのである。


1590年、豊臣秀吉は天下統一のため、関東征伐に向かった。
敵は小田原城に拠点をおく、北条氏である。

一説によると、秀吉は20万規模の軍勢で、小田原城を包囲したという。 これに対して、迎え撃つ北条氏側の兵力は5万人。 これでは最初から話にならない。

しかし、北条氏側の対応は遅れた。 秀吉に包囲されてから、小田原城内では攻撃すべきか、籠城すべきかの議論がえんえんと続いたという。

やっとのことで籠城することに決まったが、時既に遅し。 上層部の煮え切らない態度に、兵士たちの士気は下がっており、結局、北条氏は戦いらしい戦いもしないうちに降伏せざるを得なかったのである。 こうして、北条氏は滅亡した。

そして、以後、このように長時間、結論が出ない無駄な会議をすることを「小田原評定」というようになった。

当時、日本に訪れていたキリスト教宣教師ルイス・フロイスは、その著作「日本史」の中で、こう述べている。


北条氏直(北条氏の当主)は、部下に対しては豊臣秀吉に服従するように命じていたものの、秀吉から要求された人質を出そうとしなかった。 彼は秀吉を天下人と認めながら、警戒態勢を取り、武器や弾薬を調達することに余念がなかった。


ここに見られる北条氏直の行動は支離滅裂である。 当時、彼は秀吉に対して、どのような態度で臨むのかを、ちゃんと決断していなかったのであろう。

しかし、トップがこのような中途半端な態度では、その組織は悲惨である。 これでは、どれだけ長時間の会議を行っても、決断を下せるはずがない。

北条氏は決断を先送りにすることで、今、決断しないことを決断したのである。 そして、その結果、滅亡という形で、その責任を負ったのだ。

彼らは滅亡と引き換えに、このことを学んだはずである。
我々は北条氏と違い、歴史からこのことを学びたい。



【編集後記】

北海道に来ています。 新千歳空港から函館へ向かい、函館のあじさいというお店で塩ラーメンを食べ、五稜郭、土方歳三最後の地碑をめぐり、元町周辺を散歩しました。 初めての北海道ということでとても楽しんでいます。 4日は札幌です。

【目標】

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