松井証券株式会社 代表取締役社長 松井 道夫 氏 『 自分達に
とって一番不利なことを考えろ 』
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松井証券株式会社 代表
取締役社長 松井 道夫 氏
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PRESIDENT
2004年04月12日 vol.134

松井証券株式会社
代表取締役社長  松井 道夫 氏

自分達にとって 一番不利なことを考えろ




自分達にとって一番不 利なことを考えろ


これまでの松井社長へのインタヴューはこちら

vol.132
 vol.133



【増永】 
松井証券がお客さまに受け入れられたのはな ぜだと思われますか?

【松井】 
松井証券はone of themなんです。 お客さま側からすれば、別に思い入れがあるわけじゃないと思います。 ただ松井証券は今までずっといろいろと革新的なことをやってきました。 だから「これからもやるんじゃないの?」という、いってみれば期待感は あると思います。 この期待に沿わなかったら松井証券の存在価値なんてありません。 そういう風に自覚しています。

全てお客さまが決めます。 お客さまはあまのじゃくですし、いいとこ取りだし、自分勝手。 当たり前ですよね。 お金を払う側なんですから。 お客さまに対して「それはけしからん」と言ったって、それは天に唾する みたいなものですよ。 我々はお客さまに選んでもらう為に、常に革新的なことを意識してやり続 けなければ、企業として存続できないと自覚しています。

● 「この指とまれ」という お話をお伺いした際に、ハッと気付きを得たのですが、そのお話をもう一 度詳しくお伺いできますでしょうか?

よく天動説から地動説へと言っています。 天動説と言うのは、自分達が宇宙の中心にあって、お客さんは自分達の周 りに存在する星なんだという考え方です。 だから自分達を大きくしてどんどん重力を高めてお客さんを囲い込み、い ろんな関係会社をつくってグループをつくろうとします。 そうして巨大になればお客さまを囲い込めるんじゃないかというわけで す。 これを天動説といいます。

ところが先ほど言いましたように、個が情報を持つ 時代になったら、お客さま一人一人が囲い込まれようと思いますか。 お客さま一人一人が、全部自分を中心とした宇宙を持っているんです。 何百万、何千万、何億という宇宙が一人一人のお客さまの中心に存在する んです。 我々商人というのは、それぞれの宇宙に星として選ばれるかどうかの存在 に過ぎないんです。

その時にどういう事をしなくちゃいけないかという と「この指止まれ」しかないんです。 「この指止まれ、自分がやろうとしていることはこういうなんです」と宣 言する。 「こういう価格でこういうサービスをする、こういう製品を作るんだ」 と。 「これが良いと思うんだったら、お客さま、どうかこの指を掴んで下さ い」と。 商売とはこういう行為なんですよね。

一人一人のお客さまの前には指が無数に立っている んです。 どの指に止まろうかな、掴もうかなというのはお客さまの勝手です。 お客さまは自分にとってのナンバーワンの指を掴むんです。 それは業界のナンバーワンでもなんでもないんです。 それを勘違いするなよと。 お客さまは掴んだ指を未来永劫離さないなんてことはないんです。 気に食わなかったらすぐそれを手離して他の指を掴むというのが当たり前 なんです。

お客さまが中心の世の中になった時、一体企業はど ういうことをしなければならないのか。 。 やはり、今までのような20世紀的な発想で物事を考えているのでは駄目で す。 組織だって変わらなければならない。 お客さまが全てを決める。 顧客中心主義なんです。 顧客第一主義ではないんです。

顧客第一主義というのは自分が中心になって「顧客 が一番大切だよね、二番目は何ですか、三番目は何ですか」こういうこと ですね。 顧客第一主義という考え方は天動説なんですよ。 それに変わって、地動説は顧客が中心で、顧客を中心にして世の中が回っ ていると。 こういう考え方を持たなければ、おそらくどんなビジネスも駄目になるん じゃないでしょうか?

 
発想は簡単なんです。 自分達にとってもっとも不利なことを考えろと。 自分達にとって不利という事は、対極に位置するお客さまにとって有利な ことになるわけです。

● 松井社長の中で、さ まざまな経営哲学をお伺いしてまいりましたが、もう一つ「これを心掛け よう」というものがございましたら、お伺いできますでしょうか?

ビジネスの話になりますが、僕は社員に対して「頑張る な」と言っているんです。 「頑張っちゃいけないぞ」と。 なんていうのでしょうか「頑張りました、努力しました、で結果をこれだ け出しました」僕はあんまりそれは評価しません。 頑張ることは大事なことですよ。 でもね、頑張って出来ることというのは、一割向上するのだって至難の業 です。 2割なんていったらほとんど不可能です。 もし頑張って5割も向上したら、前が駄目だった、頑張ってなかっただけ の話なんです。

世の中が変わるということはどういう事かといいま すと、「頑張らないでこうなっちゃいました」「仕組みを変えたらこうな っちゃいました」「2倍になっちゃいました、5倍になっちゃいました、 10倍になっちゃいました」うちだったら百何十倍になったわけですよね。 この仕組みを考えることが仕事だぞと。 「頑張らなくてもいい方法をみんな考えろよ」と、これが仕事だぞといっ ているわけです。

では、頑張らなくていい方法でそんなうまい話があ るのかと言いますよね。 発想は簡単なんです。 自分達にとってもっとも不利なことを考えろと。 自分達にとって不利という事は、対極に位置するお客さまにとって有利な ことになるわけです。

そうすると、お客さまは黙っていても自分達の指を 掴んでくれるんです。 これでもし、掴んでもらったのに利益が出なかったら駄目ですよ。 でもほんのちょっとのお駄賃を貰うだけでいいんです。 こっちの方が良かったら、お客さまはお駄賃をくれるんです。

そうすると頑張らなくても勝手にお客さまが来てく れるんです。 その仕組みを作る事が一番大事だぞと。 その為の発想方法は自分達にとって一番不利なことを考えろと。 自分達に不利なことって山ほどありますね。

今までは、大企業が自分達にとって有利なものを武 器と称して、この武器をフルに利用したんです。 だから大企業になったでしょう。 ベンチャーは大企業がやっている事の逆をやればいいんです。 大企業の武器はこれから足かせになるんです。 彼らの武器を足かせに変えてしまえばいい、そんな発想力が大事です。

そのためには業を熟知していなくては駄目なんで す。 今までの業、やっている事の本質を全部熟知してないとその発想が生まれ ないんです。 だから専門集団、専門家じゃないとビジネスは成功しないんです。

「インターネットを使うと、あれなんか上手くいく んじゃないの」とか「携帯を使えば成功するんじゃないの?」というので は全部失敗します。 世の中には専門家がいくらでもいるんですから。 その人たちがインターネットというツールを使い始めたら、あっという間 にやられますよ。 そういう意味で、プロでなければ商売は出来ないんですけれども、ただ発 想は逆転させないといけないんですよね。

【続く:3/4】



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