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経営者向けメールマガジン「プレジデントビジョン」
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2012年11月9日 vol.1180  
Today's President

株式会社浜野製作所
代表取締役 浜野 慶一 氏

「市場」なんて意識しなくても、モノが売れた

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プレジデントインタビュー

「市場」なんて意識しなくても、モノが売れた


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【増永】 御社の事業内容を教えてください。

金属加工をメインに行なっています。たとえば、金属の平たい板を打ち砕いたり、切ったり折り曲げたり溶接をして、精密な部品を作るプレス加工や板金加工と呼ばれる加工をしているんです。

父が創業した頃は、プレス加工という過程で必要となる金属プレスの金型を1人で作っていました。そこから発展して、金型だけではなく製品も作ってほしいという要望のもと、製品加工もやるようになったのです。

そして私の代になってからは、精密板金という小ロット・中ロット対応の部品加工を手がけるようになりました。今ではその金属加工の設計やアッセンブリと言われる他の部材を組み合わせて1つの部品を作る加工も行なっています。

● 社長業を継がれてから今に至るまで、順調に成長をされているかと思いますが、一方で町工場全体としては衰退しているのが深刻な問題になっていると思います。御社とその他の町工場とでは、どういった違いがあるのでしょうか。

どうなのでしょうか・・・この会社を引き継いだとき、極端に業績が悪かったというわけでもありませんでした。当時は売上高が3,000万円で3名の社員。決して余裕があったわけでもありませんが、それなりに安定はしていました。ところが当時、この業界の生産拠点がコストの安い海外に移りはじめたのです。

一般的に日本の中小・零細企業の技術力を評価されるポイントというのは、ほとんどの部分が加工技術なんです。この部品を何ミクロンで加工するとか、微細加工においては日本の技術が世界でも群を抜いています。

しかしながら本来のモノづくりというのは、加工技術だけではありません。素材だとかデザイン、設計を経て試作があり、量産用の試験を行ない、ようやく量産体制に入ってモノがつくられるわけです。さらに言えば、アフターフォローとかメンテナンスまですべて含めて、モノづくりなのです。

では私たちはどこまでやっているか・・・この全体の中のほんの一部分なんですよね、私たちの仕事は。部分的に絞り込んだ分野だけを追求してきました。それは悪いことではありません。

だけど時代は急速に変化していきました。精度が良くそれなりの工作機械が世に出回り、それを制御するためのソフトウェアも発展していった結果、ある程度の工程においては、日本国内の私たちのような小さな工場に頼らず、コストの安い海外展開もできるような状況になっていったのです。

当然、私たちが海外の国と競争していくためには、従来のやり方では太刀打ちできません。モノづくりの視野をもう少し広げる必要がある、その必要性を強く感じました。そのあたりを見据えた仕事のやり方へとシフトしてきたのが、タイミングとして良かったのかもしれません。

あとは、途中からモノづくりの「市場」を見て仕事をすることに切り替えられたことも、大きな成功要因になっていると思います。

従来、作る側の私たちは、お客さまのニーズだけに特化したモノづくりしかしてきませんでした。だから「市場」なんて意識しなくても、モノが売れたんですよ。だけどご存知のとおり、この図式は崩れてきています。大手企業は次々と海外へ生産拠点をシフトしてきている中、そこを無視して昔からのやり方に固執していては、今の時代、発展はできませんからね。

そこで、早々に「市場」に焦点を当てて、仕事をすることに切り替えたのです。

【続く:2/5】


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株式会社浜野製作所


【事業内容】

浜野製作所は「おもてなしの心」をモットーにお客様に高品質の製品を提供する、金属製品の製造会社です。人の体内で使用される医療機器部品や、携帯の基地局で使われるアンテナ部品、海底ケーブルの固定金具など、生活の様々なシーンで活躍する製品を手がけます。

設計開発事業を積極的に推進し、墨田区との電気自動車開発プロジェクト「HOKUSAI」や、深海8,000mを目指す探査艇開発プロジェクト「江戸っ子一号」など、常に会社の新たな可能性を切り開いています。

従業員教育にも力を注ぎ、新たなプロジェクトは若い人材を中心に進め、インターンシップ生の受け入れや、地域の子供たちへのものづくり教育によって社内活性化を図るなど、継続して発展し、スタッフの人生が輝ける場の創造を目指しています。



精密板金・プレス事業部

1..医療機器、半導体製造装置、理化学機器、インプラント部品、ポンプ関連機器、情報通信機器、デザイナーズ商品等のレーザーカット・精密板金加工・アッセンブリ。

2.プレス金型設計および製作。プレス加工。


設計開発事業

1.検査装置や灰皿等の筐体製品の板金設計・製作。

2.その他、イラストやヒアリング、現物を元にした金属製品の製作。




【プレジデントプロフィール】

浜野 慶一
(ハマノ ケイイチ)

1962年東京都墨田区生まれ。
1984年東海大学政治経済学部経営学科卒業。
1984年都内板橋区の精密板金加工メーカーに就職。
1993年創業者・浜野嘉彦氏の死去に伴い、(株)浜野製作所 代表取締役に就任。

産学官交流の一翼を担い、早稲田大学の友成真一教授が指導する「地域を経営する」ゼミの学生を毎年招き、社員との交流を図る。また「フロンティアすみだ塾」で塾頭を務める一橋大学商学部(現明星大学)・関満博教授の協力を得て、産学官連携センターを設置。ゼミ生が立ち上げた「なんでもすぐやる課」を後押しする。

また、ものづくり企業グループによる産学官活動にも積極的に参加し、深海探査ロボット艇開発プロジェクト「江戸っ子1号プロジェクト推進委員会」で副委員長を、「すみだ次世代モビリティ開発コンソーシアム(電気自動車製造)」では副会長を務める。

2011年8月 東日本大震災、復興・復旧に尽力したとして経済産業大臣表彰を受賞。

また、同年に「朝日新聞デジタル」の経営者コラム「仕事のビタミン」コーナーで、半年にわたって執筆。




 






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