【増永】 御社が選ばれる理由というのは、どういったところになるのでしょうか。
創業から45年目となりますが、お客さまにとってはこの業界で長く実績を積んできているというのが、安心感につながっているようです。これが選ばれる理由のひとつでもあり、強みにもなっているのではないでしょうか。
特にこの業界、私たちが接するお客さまは人事担当の方であり、真面目で堅いタイプが多いですから・・・そういう人たちにとっては、こつこつとやってきた私たちのような会社が、信頼しやすいのかもしれません。
● 他社との差別化はどう対応されているのですか。
私たちが相手にしているのは“人”です。人というのは、そんなには変わりませんよね。そういう意味では、永遠のテーマに向かっているので正直、商品での他社さんとの差別化というのはなかなか難しいと思います。
「うちの新入社員研修プログラムのほうが、他社のプログラムより早く戦力化することが可能です」と口で言うことはできますが、それを証明しろといわれると難しいのです。いくら「この管理者研修プログラムは画期的なんです。他社さんと全然違います。好業績を期待できるリーダーがすぐに育ちます」なんて言ったところで、「いやいや、うそでしょう」となりますよね(笑)。
この業界、どの会社さんもそのあたりは苦労されているのではないでしょうか。
商品での差別化が難しいからこそ、営業戦略や企業ビジョン、事業コンセプトの違いをアピールすることが、私たちの差別化努力になる。ようやく最近、このあたりが分かってきました。
● 戦略的に成功していることがあれば、教えてください。
時代が後押ししているというのもあるかと思いますが、キャリアカウンセラーの実務向け資格である“CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)”という資格講座についての受講者が毎年増加しています。
もちろん私たちの努力もあり、そこにお客さまのニーズも合わさった結果です。計画以上の売上げ― つまりはマーケットが広がり、資格取得後の方の活用場面も増えているからこそだと思います。
こうした相乗効果が見られ、結果として活性化しているのかもしれませんね。
● では、御社の特徴的な制度などあればぜひ教えてください。
究極を言えば、契約社員が社長になるような会社ですから、頑張れば何だって可能になるという感じはあるかもしれません(笑)。誰でも日々の努力を怠らず頑張れば、役員にもなれるかもしれない― 他社さんでは、そうもいかないことが多いと思います。
そういった意味では、従来あった本部長制を廃止しました。部長という括りの中には、取締役の部長もいれば普通の部長もいる・・・だから、部長になれば役員になれるチャンスもあるということです。制度とまではいきませんが、少し役職を整備したことで部長から役員、最終的には社長になれるという道のスタート地点をより身近につくったつもりです。
あとは教育の一環として、全社員はCDAの資格を取得してもらっています。
これは、お客さまから見て「キャリアといったら日本マンパワーだよね」と思ってもらいたい、という想いも含めているんです。いわばブランディングの一種でもありますね。
これまで人事部の方向けの専門資格というのはあまりなかったように思いますが、このCDAは国が認定するキャリア・コンサルタント能力評価試験です。今ではこの資格を取得したい、資格取得によって自分の専門性をより磨いていきたいと思う方が多くなってきていると感じます。
【続く:4/5】
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