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2007年5月25日 vol.558  
Today's President

ユーティルホールディングス株式会社
代表取締役 打田 光代 氏

歩留まりだから仕方がない

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ここには、ピリピリと張りつめた空気はありません。あるのは静寂とやわらか な陽ざし。白金に接した伝統の地、四季色とりどりに過ぎゆく池田山公園を眼 下にのぞむ南斜面。ここには、あなたをビジネスから完全に切り離し最高の休日 を約束する東京があります。この大都会が、いま、生涯の街になる。あなたを 「東京」から開放する「東京」。フォレセーヌ池田山公園。
http://www.fsikedayama.com

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プレジデントインタビュー

歩留まりだから仕方がない


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【増永】 それでは、前職の会社の話に戻りますが、なぜ優秀な人材が離れてしまうのか・・・社員への待遇が大きな要因とのことでしたが、具体的にはどのようなことだったのでしょうか。

そうですね、やはり仕事がきつい―その一点に尽きますね。ビジョンが見えず、外注先に対してコストセーブした結果のつけが社員の仕事量に跳ね返るからです。

会社自体は、大きな会社の子会社部門でした。外資系企業あるいは、日本企業が海外進出する際のお手伝いをするという明確なドメインを掲げていた会社になります。

仕事自体は楽しいし、スキルのある人たちにとってはとてもやりがいのある仕事だったと思います。しかし、少ない人数でものすごいボリュームの仕事をこなしていたので、休暇がとりづらかったり、頑張っても頑張っても社長から際限なく次の要求をされたり・・・。

若い人たちにとってみれば「社長はさっさと帰ってしまい、自分たちばかり働かせている。ここまでしているのに、お給料はこれか」という具合でした。

しかし今思えば、それはある種の修行のようなものであり、社長ご自身が自分たちにとってスキルを磨くための重要なお師匠さまだったと思うようになりました。

他人に負けないスキルを積むために、絶対に必要な要素―それを経験するための、重要な時期であったと私は思います。でもなかなかそのあたりのことは、当時の年齢と立場では理解に苦しむことだったのかもしれません。

ちょうどバブル全盛の成長期でしたので、周囲を見渡せばもっと楽に仕事をしているように見える。「金融関係の友人たちは、自分たちよりも優雅に余裕のある仕事をしているのに、なぜ自分たちはこんな夜中までコツコツと働いていなければならないんだ」、そんな想いでいっぱいだったんだと思いますよ。

だからみんな、長続きすることができなかったのではないでしょうか。

けれども、そのなかでも続いているメンバーはいるんですね。彼らは今でも、立派な仕事をしています。

● 社長さんがよく言われていたことは、ございますか。

当時、社長はよく「歩留まりだよ」と私にこっそりおっしゃっていました。

仕事において頂点を極められるような人間は、先ほど申し上げたような苦難もクリアしていきます。だから途中でドロップアウトしてしまうのは「要するにその仕事に向かないだけだよ。歩留まりだから仕方がない」ということです。

一流の人間―仕事において頂点を極められるような人間であれば、どの分野においても一流になり得ると思います。

最初の頃はなかなか納得のいかない部分もあったのですが、今になってみると「確かにそうだな」と思える部分もありますね。


 
 
President
 

やはり人は、安定した基盤で働けるに越したことはないですよね。



 


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● 前職での経験等が、現在の経営に大きく影響されているのでしょうか。

そうですね、しかし前職で学んだことを上手く取り入れられているというよりも、「羹に懲りて膾を吹く」というか・・・、やり過ぎてしまった感があるんです。

たとえばある程度会社の器ができたところで、優秀な方々を迎えたいと思っていたら、それなりにきちんとした待遇を用意しておかなければなりません。

ところが、会社の実力が伴なっていないと、優秀な方々にふさわしい仕事を準備することができないというジレンマにぶつかります。思うような仕事をお願いすることができず、下請のような仕事を任せてしまうと・・・「こんな仕事しかないのか」と言葉にする方はもちろんいませんが、極端に言ってしまえばこういうことであり、全体のバランスがとりづらいのです。

もし優秀な人に申し訳ない程度の仕事を任せたら、先ほどのように思われてしまう。かといってものすごくレベルの高い仕事を任せたところで「そんな見たこともないような仕事は、自分たちにできるかな」と急に尻込みするんです。

やはりベンチャー精神を持ち合わせていないと「今までに経験のないことを、なぜ取ってくるのですか」といった話になってしまい、そのせめぎ合いになります。

それに優秀な方々にずっと会社にいてもらうためには、ある程度の資金を確保しておかないといけません。となると、自分たちのお金を削って人材の確保にまわり、そして資金繰りが苦しくなって新しいビジネスにまで手が回らない・・・この良くない循環が続いてしまいます。

夜も寝ずに取り組み、あと一歩というところでお金がなくなっていく。そんなとき「あと少しで完成するので、お金を貸してください」とお願いするのですが、なかなか聞き入れてもらえず、やむなく他社に渡してしまっています。

結局、資金不足も、どこかから搾取する気はもともとないのです。社員みんながちゃんとした職場環境で働けるようにと目指してきた結果、資金繰りが苦しくなってしまったわけです。

常に自分がやりたい方向のビジョンに進むことよりも、まずは環境を整えるための業務ウェートが大きくなってしまった―これが創業してからの13年間です。

● ひとつの事業を手放してしまう際、そこに関わっていた方々はどうするのですか。

残念ながら人も一緒に手放します。当然、その事業を一緒に作り上げてきた方々ですから、事業も人も他社にお渡ししてしまうのです。

やはり人は、安定した基盤で働けるに越したことはないですよね。バックにきちんとした会社の看板があるところで、引き続き事業を進めたいじゃないですか。だから他社さんに丸ごとお渡ししてしまえば、みんながハッピーになっていくんです。

そうすると会社としてのブランドというのは、とても大事なものだと痛感します。そういうのを横目で見ながら「これまでやってきたことが、無駄にならずに良かったね」と思えるのです。

【続く:5/7】


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起業家物語


任務完了




池田剛(現在、大和証券株式会社本店営業部に勤務。私が大和証券に在職中、改算同期として私と同じ渋谷支店に勤務していた。また、私が同社を退職するまでの約一年間、天才としか思えないレベルで収益を上げ続け、毎月連続で同期比トップを取り続けていた)
「増永君は芯が強そうでした。また、物事を常に合理的にとらえ独自の卓越した創造力を発揮して行動する人でした」

 

「飛び込み営業をやらせて欲しい」と願い出た私に与えられた条件は、「一週間で150枚の名刺を集めることができたならば、それを許可する」というものでした。

 

新人営業マンにとって、この条件はとてもハードルの高いものでした。毎年恒例となっている新人研修「名刺集めコンテスト」の正式ルールは「1ヶ月で100枚集める」というものです。この条件でも達成できない人がいるにもかかわらず、私に至っては1週間で150枚も集めなければならないというのです。ところが、私にはその達成に対して絶対の自信がありました。

 

「名刺を一週間で150枚?私なら一日で集められる」

 

私はこの条件を提示された瞬間に、その達成方法を思いつきました。

 

水曜日の午前10時、新交通ゆりかもめの「国際展示場正門駅」に降り立った私は、目的地である東京ビッグサイト(東京国際展示場)に向かいました。

 

「こんなにデカかったのか〜」

 

東京ビッグサイトは、東京都江東区有明に所在し、1995年10月竣工。会議棟、東展示棟、西展示棟からなり、総展示面積 は8万0660m²で国内最大級です。

 

「なるほど、これなら2200社からなる『フードショー』も開催できるわけだ」

 

私のお目当ては、この2200社が参加するフードショーでした。

先輩達と名刺を集める約束をしたその夜、家に帰った私はインターネットで「展示会」を検索していました。

 

「来週の月曜日から金曜日の間に展示会が開催されているか」

 

東京だけとはいわず、日本中に目を向ければ、毎日のように必ずどこかで展示会が開催されています。それをインターネットで調べてみたところ、勝負の期間に開催されていた展示会は5つもありました。

 

「もし、北海道でしか開催されていないようであれば飛行機を使ってでも展示会に参加しようと思っていたけど、近場で開催されていてよかった〜」

 

この情報を発見した時点で名刺集めの勝負はついていました。

勝利を確信した私は、月曜日と火曜日だけ、飛び込み営業の練習がてらに虎ノ門の財団をまわって名刺集めを行いました。その結果、二日で集めた名刺の枚数はちょうど50枚。ペースとしては悪くありませんでしたが「飛び込み営業は効率が悪い」ということに気づいてしまいました。従って、条件をクリアして勝負に勝ったとしても、飛び込み営業をやろうとはもう思いませんでした。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

「凄い数の人だかりだなぁ」

 

10箇所はあるゲートには長蛇の列が出来ていました。

 

案内板には招待券が必要な旨が書かれていました。

 

「お金を払えば入れるかと思いきや、招待者しか入れないのか・・・こりゃ、『ミッション:インポシブル』の世界だな(笑)」
※(『Mission:Impossible』トム・クルーズ主演、1996年に公開のスパイ映画)

当然、ここまできて招待券がないからといって引き返すという選択肢はありえません。

 

「イーサン、君のミッションはこのフードショーの会場に潜入し、名刺を100枚以上入手することだ。なお、当局はこれ以上関与しない。君の成長を心から祈っているとも言えるこのメッセージは5秒後に消滅する。成功を祈る」

 

脳裏に浮かんだ映画のワンシーンでは、ここでメッセージを収めたテープから白い煙が立ちのぼるのでした。

 

「さて、イーサン・ハント※ならここからどうするかな?」
※(イーサン・ハント・・・俳優トム・クルーズが演じる同映画の主人公。不可能を可能にし、絶体絶命の危機の中でミッションを遂行する優秀なスパイ)

 

私は広いエントランスを見渡しました。

 

「プレス関係の方はこちら」

 

一般客用の入り口の脇にあるプレス関係者向けの受付が目に入りました。

 

「ここから入れる(笑)」

 

その直後、頭の中で導火線に火がついて、『ミッション:インポシブル』のテーマソングが流れ始めました。

 

プレス関係者向けの受付のほうに向かって歩きながら、私はスーツの上着の左襟につけていた大和証券の社員章をはずしました。

 

「すみません。『インターナショナル・フード・マガジン(その場で思いついた適当な名前)』の益田(本当は増永ですが決して証拠は残さないぞと・・・)と申しますが、招待券を社に置いてきてしまいました」

 

すると受付の方はペンを私に差し出しました。

 

「では、こちらに社名とお名前をどうぞ」

 

「かしこまりました」

 

私は手渡されたペンで『インターナショナル・フード・マガジン』の益田と記しました。

 

「こちらを首からかけてお入りください。プレスの方の紐の色はブルーとなっています」

 

ブルーのネックストラップの先につけられたビニールケースには「PRESS」と書かれた紙が挿入されていました。

 

「潜入成功」

 

私は堂々と通路を歩いて展示会場に足を踏み入れました。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

フードショーには、大小さまざまな企業がブースを連ねていました。それは巨大な展示会場を埋め尽くすほどの数でした。

 

「2200社も出展しているから楽勝だ(笑)」

 

私は、それらのブースのカウンターの上に名刺が置かれていることを知っていました。以前、ある展示会に参加した際にカウンターの上に名刺が置かれていたのを覚えていたのです。

 

「なんでもよく観察しておくものだな。まさか、こんなところで役に立つとは」

 

「展示会で名刺を集める」ときいて、そこに集まっている人たちと名刺交換をすることで名刺を得るという方法を思いつく人もいるでしょう。これは、たくさんの人が出席するパーティーで名刺を得るという方法と同じです。

しかし、それでは効率が悪いのです。名刺交換をすると挨拶する必要がありますし、雑談をしなければならないかもしれません。これでは時間がかかってしまいます。

また「主催者に参加者全員の名刺を集めてもらえばよい」と考える人もいるのでしょうが、それでは主催者に大変な迷惑をかけることになります。常識で考えれば、たとえそれが主催者からのお願いであったとしても、名刺集めをしている営業マンのために気持ちよく名刺を渡す参加者ばかりではありません。私であれば、そのようなことに協力する主催者の考え方に疑問を持ちます。

これらの方法に対して、もっと効率的な方法があったわけです。私は展示会場では非効率な名刺交換など一切しないことにしていました。ではどうしたのかというと、ブースのカウンターの上に置いてある名刺だけを片っ端から集めていくことにしたのです。

 

念のために説明しておきますと、置いてある名刺は、興味を持ってくれた来場者にもらって欲しいと思っているものです。当然、誰が取っていくかわからないわけですが、それでも構わないと思って置いてあるのです。ですから、私が一枚一枚名刺を集めていても、誰からもクレームはありませんでした。

 

なお、「俺ならキャバクラに行ってママに頼んで女の子達の名刺を集めてもらう」というアイデアを持つ方もいると思いますが、これは非常に創造性に乏しい貧弱なアイデアです。億万長者で常連の顧客が頼むのならともかく(それでも実質的にはまず集めてもらうことは不可能です。理由は後述)、とはいえ億万長者であれ、ましてや新人営業マンであるならば、お店(ママ)にとっては大切な商品である女の子達の名刺をいっぺんに渡してくれることなどまずありえないことです。

 

 

2時間ほどで瞬く間に名刺がたまりました。数えてみると、それは350枚ほどに達していました。

大漁の名刺を手にした私は、ぱらぱらとめくりながら名刺に書かれている住所などを確認してみました。

 

「北海道から沖縄まで、全国各地の会社が出展しているんだなぁ」

 

加えて特徴的だったのが社長の名刺が多かったことです。おそらく、参加企業のほとんどが中小企業であったこと、そして、社長の名刺のほうが信用を得られやすく、問合せも増やせるのではないかと考えていたのではないでしょうか。

 

「ま、条件としてはキャバクラのお姉さんの名刺でもよいと言っていたのだから、問題ないでしょう」

 

その気になれば1000枚でも集めることは可能でしたが、集めた名刺に対して営業をかける予定もなかったため、一時間ほど休憩してから潜入時と同じプレス関係者用の受付から外に出ました。

 

「任務完了」

 

私は歩きながら大和証券の社員章を再び身につけ、駅に向かったのでした。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

渋谷に戻るため、銀座線に乗り換えようと新橋駅の地下道を歩いていたときです。いかにも疲れてよれよれになって歩いている同期の女の子と遭遇しました。

 

「清田さん(仮名)じゃないですか。久しぶりですね」

 

私は渋谷支店に配属されてから、同期の誰とも顔を合わせていませんでした。

 

「なんだか疲れているようだけど、一緒にお茶でもしませんか?」

 

すると清田さんは「せっかくですが、15時30分までに名刺を5枚集めて支店(銀座支店)に戻らなければならない」といいました。そこで、彼女に何枚集めたのかと聞いてみたところ、一枚も集められなかったとのことでした。

 

「それなら心配しなくていいですよ(笑)。僕がその相談に乗ってあげますから」

 

私たちは近くの喫茶店に入ってアイスコーヒーを二つ注文しました。

 

話しによると、清田さんが配属された銀座支店でも名刺集めをさせられているといいます。1ヶ月(20営業日)で100枚という条件であるため、一日で必ず5枚は名刺を持って帰らなければ怒られてしまうというのです。

 

「増永さんのところは、名刺集めの課題はあるのですか?」

 

もちろんあるといって、その条件を説明すると清田さんはびっくりしていました。

 

「1週間で150枚なんてとてもムリですよ」

 

めまいがするといった感じでそう口にした清田さんの目の前に、私は集めてきた名刺の束を差し出しました。

 

「これが今日集めてきた名刺です。350枚以上あります。この中から清田さんが欲しい名刺を5枚選んでいいですよ。ただし、その名刺の方に営業しないでくださいね、迷惑になるでしょうから」

 

清田さんは目を丸くして驚いていました。そして、大喜びで銀座支店に近い住所の名刺を5枚抜き取りました。また、清田さんはどうしてこんなにも名刺を集められたのかと尋ねてきました。私は、東京ビッグサイトで開催されているフードショーのこと、加えてそこへの潜入方法について教えてあげました。

 

「明日もフードショーはやっていますから行ってみるといいですよ。そうすれば簡単に課題をクリアすることができます(笑)」

 

別れ際、清田さんは何度も大きく手を振って私を見送ってくれたのでした。

 

★ ★ ★ ★ ★

 

池田剛
「新入社員恒例の『名刺集め百枚』を一日でやったことが衝撃的でした。普通は早くて一ヶ月(僕も同期の中では早かったほうですが一ヶ月近くかかりました)、遅い人は二ヶ月、集められない人もいる中で、それをわずか一日で達成してしまうとは、「スゲー、ただ者じゃないな」と心底思いましたね。武田軍が長篠の戦いで鉄砲の連射を浴びたときも同じような気持ち(?)だったのかもしれません。これが戦国時代だと撃たれていたかもしれませんから、今が戦国時代でなくてホントよかったなとホッとしています(笑)」

 

「ただいま、戻りました」

 

渋谷支店の営業フロアの入り口で、私は元気な声で帰社したことをアナウンスしました。

 

先輩であり、今回の名刺集めの条件を突きつけてきた宝塚さん(仮名)とすれ違いました。

 

「増永君、名刺集めのほうははかどっているかい?」

 

私は「はい、もう集め終わりました」と答えました。さらに続けて、「でもご心配なく。約束のご馳走は結構ですから」と伝えました。

 

宝塚さんとしては、まさか3日目にして集め終わるとは思いもよらなかったのでしょう。あっけにとられていました。

 

その足で、私は佐野さん(私の教育を担当するチューターで、当時のスーパー営業マン。現在、某支店の支店長を経て、大和証券本部の企画セクションに勤務)の席に向かいました。

 

「佐野さん、ミッションをクリアしましたので報告します」

 

私はカバンから取り出した名刺の束を佐野さんのデスクの上に置きました。

 

それを目にした佐野さんは名刺の束を手にとって何枚かに目を通しました。

 

「ちょっと会議室まで来なさい」

 

それは、怒気を含んだ声でした。

 

ひとつ上のフロアにある広い会議室のドアを佐野さんが閉めると、真っ赤な顔で私をにらみながら「どうやって集めたんだ!」と言い放ちました。

 

私は正直に、展示会で名刺を集めてきたこと、それは条件を出された時点で思いついていたことを話しました。

すると佐野さんは、私が集めてきた名刺をミーティングテーブルの上に激しく叩きつけて「ふざけるな!」と怒鳴りました。

 

「仙台、名古屋、鹿児島だと!お前は一体何を考えているんだ!」

 

私は黙って肩をすくめました。

 

「お前に俺の気持ちがわかるか!」

 

何度も怒鳴られました。そして最後に佐野さんは次のように吐き捨てて会議室を出て行きました。

 

「もうお前の勝手にしろ!」

 

一人会議室に取り残された私はしばらく状況を整理していました。

 

「てっきり佐野さんは喜んでくれる、褒めてくれると思ったのにな・・・」

 

丸い名刺でも何でも構わないということが条件だったはずです。それが、フードショーで集めてきたものではダメだったのでしょうか。確かに、全国各地バラバラでしたが、集めてきた350枚の名刺の中には東京や横浜のものも数多く含まれていました。

 

「昨日まで集めてきた財団の名刺もあわせれば、東京の名刺だけでも150枚を突破しているし・・・」

 

私は納得できないまま、その会議室を後にしました。

 

営業フロアに戻ると、私が名刺集めのミッションをクリアした話でもちきりになっていました。名刺集めの条件を出された際に同席していた池田さんが私の席に駆け寄ってきました。

 

「増永君、もう名刺を集めたんだって?」

 

興味津々でその方法を尋ねてきた池田さんに事の顛末を伝えました。

 

「増永君、一日で350枚は凄いね。そんなやり方もあるんだね〜」

 

池田さんは満面の笑顔で私のアイデアを褒めてくれました。

 

「僕は、増永君が条件を出されたときに同席していたから、ひとつはっきり言ってあげられることがあるよ。佐野さんが怒った理由がどうであれ、そして、ほかの誰かが何と言おうと、この勝負は増永君の勝ちだよ」

 

私は定時に仕事を切り上げて、支店の裏口から外に出ました。そして、佐野さんの言葉を思い出しました。

 

「もうお前の勝手にしろか・・・男に二言はあるまいな」

 

この日を境に、私は独自のスタイルで仕事に取り組むようになります。

 



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編集後記

先日、社内でリーダー研修をやったのですが、効果がありました。あとは、この効果が長続きするよう仕組み化する必要があります。よりよいリーダーがたくさん増えることを願っています。

当社、ライブレボリューションのオフィスはフジテレビ系列の連続ドラマ『花嫁とパパ』で使われています。主人公・宇崎愛子(石原さとみ)が勤めるアパレル企業のオフィスとして採用されました。毎週火曜日夜9時、フジテレビ系列にて放映しています。ぜひご覧ください!


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『なぜこの店で買ってしまうのか』の著者であり、世界的流通業コンサルタントであるパコ・アンダーヒルがCEOを務めるNYのエンバイロセル社のライセンスを取得。

IMJグループのエンバイロセルジャパン株式会社との連携により、事業を展開。

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