
ビジョンとして示せない限り、当然ですが人はついてこない

経営資源においては「ヒト、モノ、カネ」が重要であるといわれています。
その中でもヒトは最大の財産ですね。
会社は人がいてこそなりたつものですから。
優れた会社はヒトをとても大切にしています。
その重要な資源であるヒトを採用するには、やはりビジョンが大切です。
しかし、井筒社長からはさらに学ぶものがありました。

■これまでの井筒社長へのインタヴューはこちら
vol.27

【増永】 設立当初から上場も視野に入れた明確なビジョンを掲げて経営されていたのでしょうか?
【井筒】 ビジョンとしては、とにかくこの事業は必ず伸びる、という確信がありましたし、信念もありました。
尚且つ広告業界に長くいましたので、いろんなノウハウを持っていました。
例えば、広告代理店さんや企業さんなどの担当者様が、どういうセグメントを必要としているか。
また、広告代理店の方たちは日々忙しくスピードが命なので、電話で一回一回問い合わせしなければいけないシステムだと利用されない。
そこですぐにレスが得られるように、ネット上ですべてを完結できるように考えました。
BtoBコミュニケーションには、そういう経験上から自信がありました。
また上場についてですが、データベース商売というのはデータの数が、とても大切になるので、その初期の資本はかなり必要になる。
これは始める前から、既にわかっていたわけですが、自分にそれだけのお金があるか、と考えてみるとそれはない。
そうなると必然的に資本が必要になります。
弊社は、ベンチャーキャピタルさんから、出資をしていただき事業を行いました。
となると、同時に必須条件で公開は視野に入っていたわけです。
ベンチャーキャピタルが、投資するということは配当を求めているというよりは、キャピタルゲインを求めている、というわけです。
ちょうどあの頃、アメリカでは異常な勢いで、投資が伸びていた時代でもあり、そういう情報はかなり入ってきていたので、我々も始めから、そういう形でやれればいいな、と考えていました。
● 上場までに何か苦労された事とかはありますか?
我々は、どんどん先行投資的な意味で広告をやっていましたので、資金的に大変だったことはありました。
例えば、ベンチャーキャピタルさんから3回に渡る投資を受けたのですが、次の投資が1ヶ月遅かったら、ショートしていたかもしれないとか。
そういう綱渡り状態でやっていたというのは、苦労と言えば苦労でしょうか。
しかしながら、そんな状況も一種、楽しいと言えば楽しい。
とも思っていました(笑)。
幸い、その時々で、いろんな人に恵まれました。
システムや管理や営業など、必要なときに必要な才能を持っている人と出会えました。
当時は皆さんに満足いくお金をお支払いできず、出世払いということも含めて、いろんな人たちに力を借りてやってきました。
みなさんに助けられてきたので、あまり苦労という感じはなかったですね。
もちろん体を壊したり、いろんな事はありましたけれども、家族も支えてくれたし、周りの人間も、非常に良い人が集まってきました。
もし仮に、自分で自慢できるものがあるとしたら、そういう「人を集める才能」っていうのがあったのかも知れませんね。
自分にない部分を持っている人たちは、常にリスペクトして、とにかく一緒にやっていく、という気持ちがあったのが、今に繋がっているのかな、という気はしますね。
● そのような素晴らしい仲間を集めるためにはどうすればよいでしょうか?
私は、広告コミュニケーションであるとか、マーケティングに関する特に実践的な部分、その辺のノウハウに関しては、確固とした自信がありました。
ですから、自分にはないものを持っている人、例えばシステムの方は、システムに関しては優れている人を。
当たり前のように思われますが、具体的に言うと、自分が必ず他の人より勝っている、というドメインを一部持っていて、それを誇りにする。
また、それに対して確信や信念というものも持つことが大切だと思います。
私はそれを自信に、他の人を口説いてきました。
それぞれ自分にない部分を持っていた人間が集まって、それぞれ独自の部門に、優れている人が集まりました。
そして、当初であれば、データベースを使った、オプトインメールという事業に確信がありましたから、どういう方向でやったらいいんだ。
という経営上のベクトルやコンセプトに関しては、一番であるという自信がありました。
それにみんなが信じてついてきてくれました。
つまり、どういう方向で行って、何がしたいのか、その結果としてどういうことが起るんだ。
ということを、ビジョンとして示せない限り、当然ですが人はついてこない。
そのあたりについて言えば、経営者として果たすべき事は果たしたし、現在も果たしているんじゃないかな。
と思っています。
● ナスダックジャパン(現在:大証ヘラクレス)に上場されましたけれどもその後の公開、前と後とで変った事などがあればお願いします。
公開する事で、私的な存在から、公的な存在の企業になったわけですからね、株主もいて、パブリックな形で責任感を持って、仕事をしようという気持ちが、社員に芽生えたことはありますね。
また、上場によって社会的なお墨付きを頂いたわけですから、やっぱり、みんなの中に非常に大きな自信と誇りが湧いたと思います。
それにより、それを持って仕事をすることで、例えばですけど、自分が知っている有能な人間がいれば、自信を持って誘えるようになった、とかはあると思いますね。
また、上場してからそれ程公募という形で、人を取ってないんですけれども、非常に良い形でいい人が入社されています。
これらはやはり、上場したことの大きなメリットです。
個人としては、公開企業の社長であるというのは、それなりのステータスではありますね。
また、公開によりいろんな方々が、非常に気軽に会っていただけています。
そんな中でより実質的な、ビジネスの話が出来ることも多くあり、当たり前の意見かもしれませんけれども、公的な信用が得られたことは、大きなメリットでした。
ビジネスといえば、上場したことで、新規事業の「マグスタ」を展開する時において、パートナー探しをしているとき、最初のとっかかりが楽になりました。
有名な出版社であっても、話はきっちり聞いてくれます。
そういう意味のメリットというのは非常にあるかな。
やっぱり事業展開上ですね、上場した事によるステータスというメリットは、かなり活かされているのではないかな、と思っています。
もちろん、株主への利益を最大限に追求しないといけないとか、やっぱり公開しているが故に、株の動きというのは、非常に神経を使うし、例えばコンプライアンスにしてもそうだし、いわゆるインサイダーであるとか、神経を使わなければいけない事というのは、公開前に比べるとはるかに多い。
ただ、それに見合うだけのさまざまなメリットというのはありますね。
公開するということは、企業にとって非常に良い事なんじゃないのかなという気はしていますね。
【続く:2/4】

先に与える人ほど豊かになる
金曜日(2003年7月11日)に「先に与えよ」とはどういうことなのか、一人でじっくり考えてみた。
それまで私は「先に与えよ」ということがどうして成功の秘訣であるのか明確に意識していなかった。
しかしながら素直に「まず人のために、クライアントのためになることをやろう」という姿勢で生きてきたことは間違いない。
この命題について突き詰めて考えていったとき、自分の経験から、ある真理に行き着くことができた。
私は急いで岡山に戻っている監査役の景山(以下、かげさん)に電話をした。
彼は、一緒に創業したメンバーであるが、お父さんが体を壊してしまったため、お父さんが個人で経営していた中古車販売店の家業を継いでいる。
ま「かげさん、ちょっと聞いてくれ、『先に与えよ』ってどういうことか、わかったんだ。
今まで、どうして先に与えたものが最終的に得るものになるのか、明確にはわからなかったんだ。
でもね、あっているかどうか別にして聞いてほしい」
か「え、『先に与えよ』ってどういうこと?先に与えたものが得るものになるの?ようわからんわ」
ま「古い格言に『与えよ、さらば与えられん』というのがあるんだよ。
いろんな文献に出てくるんだけど、どうして先に与えると得るものになるのか、つまり得をするのかわからなかった。
だけど、先に与えたほうが得なんだということがわかったんだよ」
か「へー、不思議やな、わからんわ。
教えてよ」
ま「うん、まず100円をかげさんにあげたとするよね、そうしたらかげさんはどう思う?」
か「もちろん、社長に感謝するよ」
ま「でしょ?そしたらさらにどんなことを考えるかな?もし、かげさんが僕に100円を返さなければならないと仮定したらどうかな?どちらが精神的によい状態だろう?」
か「俺が社長に100円返すの?うーん、わからんなぁ」
ま「僕は100円を返してもらったとしても、精神的には普通の状態。
極論すれば100円が戻ってくるのは当たり前だよね?だけど、かげさんは100円を借りたときに感謝しているから、『返さなくちゃ』という精神状態になる。
つまり恩があるんだよね。
この状態だと精神的には僕のほうがいい状態」
か「なるほど、確かに先にもらったほうは感謝するもんな。
恩を感じる。
どちらかといえば精神状態は下になるわなぁ」
ま「だけど、もし同じくらいの精神状態になろうとしたらどうだろうか?かげさんは少なくとも100円より多く返さないといけないと思わないかい?そうすることによって恩を返したと思えるでしょ?つまり、先に与えると感謝に利子がつくんだよ。
それも大きな感謝や、長期間にわたる感謝には利子がつく。
だから先に与えるとより多くのものが帰ってくるんだね!」
か「おおお、そうや、確かに利子がつくぞー。
まるで感謝のポイントカードや。
そういえば、今日な、廃車にしようとしてた車を試しに業者に売りにいったんや。
そしたらな、A社は5万円、B社は10万円っていう見積もりが出たんや。
この2社はいつも取引している業者なんやけどな、試しに2年くらい使ってない業者にも見積もりを出してもらったんや、そしたらな、20万円って査定してくれてん。
」
ま「まじで?すごいなー。
もちろん売ったでしょ?」
か「そうや、売ったで。
相手の社長さん、まさに俺に先に与えてくれたわ。
だからな、これからはその業者も使ったらなあかんとおもったわ、儲けさせたろうとおもったわー」
ま「そうでしょ?それでね、ここが重要なんだけど、誠実で謙虚な人じゃないといけないんだね。
そうじゃないと、人は何も返してくれない。
返そうとも思わないよ。
キャッチボールが途中で終わるんだよ。
これってお互いが、キャッチボールをすればするほどボールが大きくなるでしょ?だって同じ精神状態になるにはもらったものより大きなものにして返さないといけないもんね!」
か「うわっ、うわーーー、わかったわー。
社長、これは凄いことやで。
今日の出来事が全部つながったわー!!」
ま「なになに?」
か「あんな、実はその社長さんって、めっちゃ儲かってる人やねん、それやのにな、めちゃくちゃ謙虚やねん。
俺みたいな若造(29歳)にもな、ちゃんと対応してくれたしな、めっちゃ誠実やねん。
だからな、この人には20万円どころか30万円とか、得させるように仕事を振ったろうとおもっててん。
でな、あまりにもいい人やったからな、最後に正直に、この車は他の業者では5万円とか、10万円とかの査定やったけど、いいんですかって、聞いたんや。
そしたらな、『私は昔、あなたのお父さんのもとで働いていました。
私はあなたのお父さんにとても感謝しているんですよ。
だから20万円でも安いと思っているんですよ』っていってたわ、凄い利子がついてたわ」
ま「うわーーーー、凄いなぁ、やっぱり感謝に利子はつくんだね。
お父さんが先に与えていたから、利子がついて帰ってきたんだね。
かげさん、お父さんに感謝しないといけないね!」
私は『先に与えよ』ということに対して突き詰めて考えたとき、さまざまなことについて考えをめぐらせていた。
自ら先に与えるということは、自らきっかけやチャンスを作ることでもある。
もし、何もせずに与えられるのを待っていたならば、きっと何億人という人たちの中から与えられたいものを与えられるということは奇跡に近いであろう。
しかし、自分から多くの人に与えていれば、相手は自分に感謝の念を持ち、忘れずにいてくれるだろう。
そして、恩に報いるチャンスが生まれたとき、真っ先に自分を選んでくれるのである。
例えば次のようなものを先に与えてみてはどうだろうか?お金だけではなく、「時間」「知識」「笑顔」「挨拶」「アドバイス」「ユーモア」「人の紹介」「賛辞」「愛情」・・・。
無償で提供できるもの、お金のかからないもの、税金のかからないものはどんどん先に与えればいいのである。
そうすればやがていつの日か、「感謝の利子」がついて自分に戻ってくる。
するとどんどん豊かになっていくのである。
人からもらってばかりいる人は、結局何ももらえなくなる。
私はさらに「誉めると会社は大きくなるということもわかったんだ!」と興奮気味にいって話を続けた。
(続く)

【編集後記】
北海道旅行の日程が確定。
8月3日から8月7日までの4泊5日です。
そして、4日の夜に札幌で飲み会をすることにしました。
初日(3日)は函館にいこうと思っています。
4日の札幌ではぜひ、北海道の読者の方達と楽しく飲みたいなと思っていますし、みなさんのお仕事に役立つよう、プレビも活用して盛り上げていきたいなと思っています。
お時間がある方はぜひメールください。
詳細はメールでお伝えします。
で、早速ですが、この飲み会(オフ会)にネーミングすることにしました。
名づけて、「 PRESIDENT
LIVE (プレジデントライブ) 」です。
いかがでしょうか(笑)。
第一回プレジデントライブ in
北海道にぜひご参加くださいね!
今から「ビューティフルマインド」のDVDを見てから寝ようと思います。
【目標】
7月中に読者数1万人!


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発行者が読者の皆様にかわって登場社長に質問いたします。
なお、非常にお忙しい方々だと思いますのでご質問に対しての回答は保障しかねます。
ご了承ください。
なお、質問に対する応えは、メルマガ上か「ご意見・ご感想」による紹介という形でさせていただきます。
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