【増永】 わずか3年で5,000社からの導入というのは、ものすごい実績ですよね。
本当にタイミングが良かったというか・・・自分たちでもそこまで予期できていませんでした。やはりいろいろな条件が揃ったのだと思います。
● 企業に導入してもらうために、具体的にはどのような戦略を立てられたのでしょうか。
戦略というよりも、松下電工でのシステム担当をしていた頃の経験が役立っています。要は、当時の自分が買いたくなるような商品を作ればいい、そう考えたのです。
そもそも、システム担当者というのは企業の部門に1人ぐらいは配属されているんですよね。だけど詳しい担当者もいれば、そうでもない担当者もいる。私はどちらかというと詳しいほうで・・・インターネットで情報を探して、自分で試して、自分が納得したら購入する―積極的タイプのシステム担当者でした。
たとえば当時の私のようなタイプが部門に1人いるとします。松下電工クラスとなれば、部門は数百とありますから、1社を取引先とするだけでも商品を何十本と売ることが可能だと考えられるわけです。
こうしてビジネスを考えていったので、3人が十分に生活できるぐらいは会社としてもどうにかなるだろうと思っていました。
ちなみに当時の私が見ていたサイトやメールマガジン、雑誌などに広告掲載を考えるとき、こんなことを想定していたのです。
「自分であれば飛びつきたくなる広告メッセージ」を書いて、「自分であれば見やすいホームページの作り」を意識し、「自分であれば喜ぶようなソフトウェア」を作り、「自分であれば喜ぶような価格」にして販売すれば、確実に売れるであろう―そう考えていました。
変わっているかもしれませんが、ターゲットに自分を想定してマーケティングをすることこそが、ベストであると考えたのです。
マーケティングでいえば、もう1つ。最初にソフトウェアユーザのターゲットとしてイメージしていたのが、大企業の部門であったということです。
なぜいきなり大企業をターゲットにしていたかというと、単純に大企業しか知らなかったからです(笑)。何しろ、大学卒業後の就職先は大企業でしたので、それ以外のいわゆる中小企業を知りませんでした。
当時、インターネットで商品の販売先を検索していたところ、中小企業であっても10社に1社くらいの割合でITに積極的な企業があったんですね。
そこで試しにそういった会社さんに営業をしてみたところ、思いのほかニーズがあった。失礼ながらも「あ、中小企業さんでも買ってくれるんだ」と、意外な発見をしたのです。
こうして、もともと大企業向けに作っていたソフトウェアは、中小企業でも同様に通用することが分かりました。