● 現在、市場のなかでどのぐらいのシェアがあるのですか。
私たちの「銀のさら」が全体の約45%を占めています。
これは277店舗あるのですが、2番目のチェーン店さんは、50店舗前後での展開になっています。
ですから、市場占有率の優位性という点では、他社に対して差をつけられているかなと思っています。
● それでは、御社のもう一つのキーワードである「デリバリー」について教えてください。
宅配寿司「銀のさら」をこの5年間で展開してきて、現在はそのほかに宅配御膳「釜寅」を展開しています。
これは70店舗ほどありますが、「銀のさら」とはまったく異なる食の提案になっています。
そして「BBQ」というフライドチキンのデリバリーショップもスタートしました。
フライドチキンの市場はこの30年以上、どちらかというと選択肢のない業界でした。
「BBQ」とは、お隣の韓国において、デリバリーチキンというカテゴリーのなかでは、世界で圧倒的シェアをもっているブランドです。
そちらが世界戦略上のパートナー探しをされていたんですよ。
私たちとしましても「デリバリー」という大きな共通点を持っていたということ、そして次の新たなビジネス展開を図るうえで、「BBQ」に大変魅力を感じていました。
そこで昨年の5月にマスターフランチャイズ契約を結び、12月から直営店展開をスタートしたのです。
来たるべくフランチャイズ展開に備え、現在は直営店で検証を繰り返している状態ですね。
またカラーが変わりますが「リトルアーティスト」という事業も展開しています。
これはお子さまが描いた絵にプロがコラボレーションすることで、本格的なアートに生まれ変わる―といったサービス内容になります。
● なぜ従来の事業とはまったく異なるビジネスを始められたのですか。
これは人を幸せにするビジネスだと思っています。
そもそも企業理念に「ビジネスを通じ、相手の幸せが自らの喜びと感ずる境地を目指す」と掲げているからです。
やはり自分たちの活動を通じて、人が幸せになっていくというウェーブを作り出すことが、自分たちにとって最も正しいことだと思うんです。
また経済合理性を考えても、そのような考え方が最終的には最も効果的だと思っています。
ビジネスパーソンとして生きていくうえで、志だけではなく経済合理性を無視することはできませんから。
とはいえ、経済合理性を追い求めてしまうと、そんなきれいごとばかり言っていられない・・・そのように思われる方もなかにはいらっしゃるかと思います。
しかし私たちは、経済合理性を求めるがゆえに、堂々と正しいことをやって生きてゆきたい―そういう信念・理念のもとにビジネスをしているのです。
それが「食」から「アート」に形を変えただけで、基本的には私たちのビジネスとしてやるべきことではないかと感じています。
【続く:2/8】