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2006年07月12日 vol.439  
Today's President

山本化学工業株式会社
代表取締役社長 山本 富造 氏

人間の生き方は揺らぎ理論に基づくべき

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プレジデントインタビュー

人間の生き方は揺らぎ理論に基づくべき


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【増永】 山本社長は、資金面で困ったことはあるのですか。

先ほどお話したように、22年の間には円が高くなったりいろいろとあったわけです。 資金がショートするようなこともありました。 そうすると、引退した父親に相談をするんですよ。 お金が足りないと。 そこで返ってくる言葉は「そんなのお前がなんとかしろ。 私は知らない」。 鍛えようとかそういうのでもなく、本当に知らん顔をするんですよ(笑)。

そのなかで私が得てきたことは、企業も浮き沈みがあるから日頃から銀行とのコミュニケーションをとっておかなければならないということでした。

ペイオフが解禁されてからは、会社の預金を分散させなければならないので取引銀行の数が増えてしまい、なかなかすべての銀行さんに伺うことは難しくなりましたが・・・以前は1ヶ月に1度は必ず、取引銀行さんにお伺いしていました。

その訪問で、会社の現状をきちんと説明しているのです。 銀行側ももちろん、状況を把握したいところじゃないですか。 そうすることで、お互いに資金調達のタイミングとか、資金がショートする時期とかそういったことが見えてきます。

こうして定期的に銀行と情報交換をすることによって、なにが起きるかというと「当座貸越の枠をこのぐらい取るから、いつでも借りられるような仕組みを作ろうか」という話を銀行側から提案してくれるんですよ。 悩む前に聞くのがいちばん早いです。 こちらとしては0.1%でも安く借りたいわけですから、日頃からどうしたらいいのかということを聞くんですね。

そうすると「現状なにがネックになっていて、それをどうすればもっと自由が利きますよ」そんなことをアドバイスしてくれます。 お互いに率直に話を進めますので、本当に良い循環となり、良い方向へ進めるのです。

● そうしたお話は、山本社長だからこそ可能なお話というのもあるのではないでしょうか。

そうですね、そう言われることも多々あります。 特に銀行への報告業務をやられていない社長さんは、必ずおっしゃいますね。 でもそうではなくて、私たちもこれまで多くの浮き沈みを見てきました。 そんな状況のなかでも、常に同じスタンスで銀行の方に報告をしていこう、顔を合わせよう。 これを続けて参りました。 結局のところ、今までの積み重ねが大切なんだと思います。

ですから、これまでそうしたことをしてこられなかった社長さんも、今日からでも行動を起こすのは遅くないと思います。

こちらの状況をきちんと報告するというのは、取引をさせていただいている側としては基本的にしなければならないことだと私は思っています。 これは、社長の仕事のひとつですね。

お金がないと会社は止まってしまいます。 人間の血液のようなものです。 だから血液を滞らないようにするためには、なにをしなければならないのか。 そういうことを心がける必要があります。

● 山本社長が思う、社長業での大切なことはほかにもございますか。

世界市場を視野に入れた場合、日本人のいちばん強い部分をよく考えることだと思います。 昔から輸出をしていたので、そのような考えを持つようになりました。

● 山本社長の考える、日本人の強みとはどのようなことでしょうか。

やはり日本人特有の繊細さです。 日本人にしかできない繊細さを前面に押し出して、世界市場に参画して頑張っていくことが大切だと思います。


 
 
President
 

経営者として辛いこととか苦難に遭遇しても、それさえも楽しんでしまえるようなことが重要だと私は思います。



 
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● ありがとうございます。 それでは好きな言葉を教えてください。

好きな言葉は「エンジョイ」です。 たとえば楽しいこともエンジョイするし、経営上の苦しいこともエンジョイする。 経営者として、ひとつ壁を乗り越えられたら、それが自分の知恵や知識、経験になりますから、楽しいことだけをエンジョイするのではないのです。 経営者になったからには、苦しいこともエンジョイしていかないとその先やっていけませんよ(笑)。

苦しいことをエンジョイしないから、どんどん陰にこもっていき、それこそノイローゼのような状態になってしまう。 やはり経営者として辛いこととか苦難に遭遇しても、それさえも楽しんでしまえるようなことが重要だと私は思います。

● 好きな人物はいらっしゃいますか。

中村天風さんです。 彼について書かれている本を読んでみると、経営者の理念の基の部分にあたるような話をされているんです。

一方、経営の本や自己啓発の本が現在たくさん出版されていますが、読んでみるとけっこう戦術的な内容のものが多いですね。 私よりも若い経営者の方とお会いする機会もありますが、話をしてみるとやはり戦術的な本を読まれている方が多すぎるように感じます。

そうすると小手先の勝負にばかり気をとられてしまうので、なんのために自分はやっているのかといった自分や会社の存在意義や理念が抜けてしまっているのです。 その代わりにどうしたら商品が売れるのか―そこに向かって走ってしまうんです。

またもうひとり、私がやっていた少林寺拳法の宗道臣先生 という初代管長 です。 どういうところが好きかといいますと、世の中には本音と建前があるということを最初にはっきりと宣言されていることです。 建前だけで突っ走るやつも駄目だが、本音だけでいくのも駄目だということを、高校生ぐらいの頃から言われていました。

なんとなく、これは本音で話そうとか、建前でいこうとか・・・こういう意識が出てきますよね。 人間は本音と建前を状況によって使い分けなければならないのです。

それと世の中は、人の質ですべてが変わるよということも教えられました。 だから人の質を上げること。 これ以外に世の中をよくする方法はないということも教わりました。

● 好きな本はございますか。

宮本武蔵について書かれている『五輪書』です。

一定のものと不安定なもののリズムが上手い具合に調和しているのを1/fの揺らぎ理論といい、非連続を意味します。 この揺らぎが、人間に快適性を与えると言われています。

ですから、人間の生き方は揺らぎ理論に基づくべきなんです。 ずっと連続していると、どこかで息が詰まります。 でもダラダラしていてもダメ。 やっぱりそのときそのときでびしっとしたり、だらっとしたりという、そういう非連続的な生き方。 そういうことが詰まっているのが『五輪書』だと思います。

● ありがとうございます。 それでは最後に今後の御社のビジョンを教えてください。

ガンなどの病気が世の中からなくなるような、そうした世の中を創るために社会貢献をしていきたいと思っています。 ちょっと大きすぎて無理なように感じますが、ビジョンというのは、無理な程度でいいと思うんです。 すぐに達成できるようなビジョンは、ビジョンとは言えません。 ですから、私たちの今後のビジョンは世の中から病気をなくすことなんです。

これは体のことだけではなく、精神的なことも含めて両面からの意味をさします。 体を治すのは、お医者さまやそれに携わる人の仕事ですよね。 私たちができる範囲というのは、フィジカル・メンタル両方に通じてなくすということです。

人間は本当 は125歳まで生きられるらしいので、125歳を全うできる、しかもエンジョイできる。 そうした世の中を創り上げていきたいです。

【完:5/5】

次号:株式会社パソナテック  代表取締役社長 森本 宏一 氏


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編集後記

7月に入り、プログラミング研修が始まりましたが、先週今週でプログラミングまわりの基礎を教えていただきました。 来週からは「Ruby」という言語を実際に使って書き始めることになります。 その入門書は『たのしいRuby』で、来週は7章までやるらしいので、週末を使って予習するつもりです。 プログラミングや株式公開が終われば英語をゆっくり勉強したいなと思い始めています(笑)。


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仕事をする上でのスタンスが「好きなこと(得意なこと)をやって、お金がもらえるなんて有難い」となっている人は幸せです。 そういったことをお金をもらいながら実行できたり、学べたりするわけですから毎日が楽しい。

ところが、逆に「お金を稼ぐために仕事をしている」「こんなに大変な仕事をしているのだから、これくらいのお金をもらわなければやってられない」と考えている人はかわいそうです。 世の中には自分に合った仕事があり、それをやる環境は必ずあります。 ただそれを見つける努力を怠っているだけなのです。

人生は一日一日が大変貴重なものです。 楽しまなくてはもったいないと思います(笑)。

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山本化学工業株式会社

【会社概要】

設立:
昭和39年5月1日
業種:
複合特殊ゴム製品製造
本社:
大阪市生野区中川5丁目13-11
工場:
大阪工場・岡山工場
ネットワーク:
世界46カ国


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